短期トレードに走るよりも、じっくり長期的な視野で投資した方がリターンは高くなると思います。そもそも、企業の利益は急には増えないわけですし、投資は必然的に長期でないと儲からないと考えるのが自然です。投資とはビジネスそのもの。ビジネスは短期で稼げるわけじゃありません。

ところで、長期投資の「長期」とは具体的に何年くらいを想定すればいいのか?

別に学術的な正解はありません。人それぞれ色んな意見があろうかと思います。さすがに1年って答える人はいませんかね。最短でも5年くらい、人によっては50年、100年と答えるかもしれません。100年投資となると相続前提になりますね。ちなみにバフェットは「株の理想の保有期間は永遠だ」と言ってます。

で、私の意見ですが、長期投資の「長期」とは最低でも12年~13年くらいかなあと思っています。

何を以ってこう言っているのかと言えば、S&P500指数に12~13年投資していれば、損失で終わる可能性が著しく減ると思うからです。

株主の利益とは企業の利益です。今S&P500に投資して12~13年保有し続ければ、累積の企業利益は投資元本を超える可能性が高いです。つまり、100投資して100以上の利益があるということ。

累積利益が投資元本を超える点を、「長期」の一つの目安にしてみました。あくまで目安です。他にも色んな考え方があるとは思います。

今のS&P500の予想PERは17倍で益回り5.9%。100万円投資して5.9万円の利益が1年間で見込めるということ。その利益がインフレ調整後で5%成長すると仮定を置きました。すると、こんなイメージ。


13年目で累積利益は投資元本の100を超えました。イメージとしては、13年目以降は費用ゼロで収益だけ入ってくる感じ。減価償却し終わった簿価ゼロの機械をそのまま使い続ける感じです。

インフレ調整後で5%成長というのは楽観的過ぎるかもしれません。ましてや、リセッション入りは近いぞ!と最近盛んに言われているくらいですから。ちょっと色を付けると15年くらいかな。ま、何とでも言えますかね。

 

ところで、企業の利益はまだ株主利益として確定しているわけではありません。最終的に配当として株主にキャッシュが送金されることで株主は利益を確定できます(途中売却をしない前提)。

より保守的に見るならS&P500の利益ではなく配当で考えるといいです。現在のS&P500の配当利回りは1.8%。100万円投資して1.8万円の配当ということ。それが同じくインフレ調整後で毎年5%ずつ成長すると仮定します。すると、こんなイメージ。

累積配当が投資額に到達するのは28年目でした。

28年間S&P500を保有し続ければ、配当(分配金)だけで投資元本を回収できます。ここまで来るとトータルリターンがマイナスになることはあり得ません。すでに入金済みの配当で投資元本を超えているわけですから、仮に急に株が紙切れになっても一応トータルリターンはプラスですよね。

っちゅうわけで、私が考える長期投資の「長期」とは12年~13年以上。より保守的に考えるなら30年くらいかな。10年ちょいなら頑張れる気もしますが、30年は長いですね。ここまで根気強く投資を続けられる人はなかなかいないと思います。

私は米国株投資を始めてまだ3年も経ってない。まだまだやな。これからこれから。気長に投資を続けます。