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【21世紀の株式投資】インターネットの発達で株の期待リターンは下がる?それとも上がる?

   

インターネットのおかげで、株式投資のハードルはグッと下がりましたね

今、私たちが簡単に低コストでNY市場にアクセスし、アップルやアマゾンといった米国企業の株を買えるのはひとえにインターネットのおかげです。ネット証券がなければ、ここまで投資コストが下がることはなかったでしょう。私が利用している楽天証券の外国株買付手数料は約定代金の0.45%(上限20ドル)です。つい2年前は最低でも25ドルの手数料が掛かりました。対面の証券会社では今でも1%近い手数料を請求されます。

インターネットが投資家の裾野を大きく広げました。

また、インターネットによって個人も簡単に過去の財務情報、その他定性的な企業情報を入手できるようになりました。「Amazon annual report」などとググれば、すぐにアマゾンの年次報告書を読むことができます。ネットがなかった時代から考えれば、これはもはや革命でしょう。かつては会社や証券会社の担当者に依頼して、紙ベースでアニュアルレポートを取り寄せるしかありませんでした。

私は当ブログで「米国株銘柄分析」というカテゴリーを設けて、過去10年分の財務データや配当履歴、株主リターンなどを掲載しています。ブログだからもちろん無料で公開しています。この程度の情報でお金を取れるとは微塵も思ってないです。米モーニングスターから財務データを落として、予め作っておいたエクセルフォーマットにペタッと貼れば勝手にグラフが出来上がります。どれくらいやろ、グラフ作るだけなら5分もあれば十分かな。

でも、一昔前なら高いお金を請求できるくらいの情報かもしれません。10年分の年次報告書を取り寄せて、財務データをグラフ化するというのは、非常に手間の掛かる作業だったはずです。

インターネットがすべてを変えました。日本で株式投資(長期投資)で財産を築いた人は少ないと言われますが、それも無理はありません。この30年日本株は低迷しており、株で財産を築くには外国株に目を向ける必要がありましたが、外国株に気軽に投資できるようになったのはここ10年の話ですから。私たちはネット時代の個人投資家第一世代です。

インターネットのおかげでこうやって優良米国企業に投資できるようになって、本当に有り難いです。私が社会人になったのは2009年ですが、ちょうどその辺りから投資環境が整い始めましたよね。偶然ですが、良いタイミングで社会人になれたなと思っています。ラッキーでした。

インターネットは株の期待リターンを押し下げる面もあれば、押し上げる面もあると思う

ただ、インターネットの発達は株の期待リターンを押し下げちゃうだろうなという危惧もあります。米国株は過去200年、実質で7%前後のリターンを達成してきましたが、21世紀はそうもいかないかも。5%~6%くらいに下がるかもしれません。

なぜなら、簡単に株を買えるからです。投資家が増えたからです。ファイナンス的な理論株価ってのはありますけど、株価はしょせん需要と供給の一致点で決まるものです。インターネットによって株の需要が増えれば、その分株価が上がってPERも上がります(益回りは下がる)。

今まで機関投資家がコストを掛けて集計していたデータを、個人が簡単に収集できるようになったことも株のリターンにマイナスです。きちんと数字を見て投資できる環境が整っています。株価もリアルタイム確認は当たり前。安心感はリスク認識を低下させます。リスクが下がれば期待リターンも下がるのが道理です。

21世紀は株のリターンが下がるという専門家の意見を見ることがあります。かつてよりも経済成長率(利益成長率)が下がることがその根拠。私も株のリターンは下がる可能性があるという点は同意なのですが、理由がちょっと異なります。企業の利益成長率うんぬんというよりは、株式に対するリスク認識の低下が株の期待リターンを下げるだろうというのが私の意見です。

なぜリスク認識が下がるのか。その理由は前述の通りです。インターネットです。ネットで手軽に低コストで株を買える環境が整備され、銘柄情報も簡単に入手できるようになったからです。

なんですが、、最近違うかもなって思ってきました。インターネットがむしろ株のリスク認識を高めて、期待リターンを押し上げている面もあるのでは、そう感じる時があります。

ネットでリスク認識が高まるとはどういうことか?

将来の相場見通しに対する大量の悲観的な予測、ニュース報道です。リーマンショック直前の相場に似ている、FRBのQE政策の反動で財政赤字は臨界点を突破する、逆イールドがリセッション入りを示唆している、などなど。影響力のある著名な投資家が、こういった警告を声高らかに発信すれば、そりゃ個人投資家は身構えます。いや、機関投資家も同じでしょう。

別に、そういった警告が嘘だと言うつもりはありません。財政赤字が増えていることや長期債の利回りが低下していることは、実際に示されているデータですし。ただネットニュース、特に無料のニュース媒体は悲観的な報道を積極的に流したいインセンティブが働きます。多少誇張した表現を使いたがります。その方がクリック数が増えるからです。広告収入に依存している場合、読み手を煽ってPV数を稼ぐのは仕方ない面もあります。これも立派なマーケティングです。

みんなスマホでたくさんの(悲観的)ニュースを消化しています。それが投資にブレーキを掛けている面が多少はあるだろうなと推測します。実際、私はかなり影響を受けています。景気回復期の頂点まで来た、リセッションは近いといったニュースをよく読みますが、そういう報道を読むと過度な投資は控えたくなります。

インターネットのおかげで専門家の相場解説に触れる機会が増えました。日々の値動き、その理由も毎朝チェックできます。それが投資家の安心感を高め(=リスク認識を下げ)、株式の平均PERを押し上げてしまうのでは。こう考えていました。インターネットの利便性が21世紀の株式の期待リターンを押し下げる大きな要因になるのでは、と考えていました。

今でもその考えは持っています。が、むしろスマホで気軽にたくさんのニュースを読めることが、逆に投資家心理を悪化させ、株のリスク認識を高めているかもなと思うこともあります。

インターネットは株の期待リターンを下げる効果ばかりだと思っていましたが、上げる効果もあるように感じます。知らない方が良いことも世の中ありますよね。これだけネットで繋がった環境に身を置いていると、嫌でも様々な情報が飛び込んできます。

果たして、21世紀の米国株の実質リターンはどうなることやら。あまり期待し過ぎない方がいいかな。良くて7%、悪くて5%ってところでしょうか。

 - 投資理論・哲学