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日本株インデックス投資に未来はないのか

      2016/10/03

日本で人口減少、少子高齢化が進むのはもはや確実です。

量という面において、日本という国家が衰退していくことはやむを得ないと思います。
人口が減るのですから。

だから、日本株への投資、特にTOPIXに長期投資しても報われないという意見を聞きます。

あるいは、日本の低成長はすでに株価に織り込まれているのだから、日本株式投資がアメリカ株等への投資に劣るわけではないという意見も聞きます。(山崎元さんなど)

あなたはどう思いますか?

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  バブル崩壊から日経平均は高値を更新していない、という主張

巷の日本株長期投資否定派の主張としてよく言われる話。
●日経平均株価は1989年に最高値38,957円を付けてからバブル崩壊を経て現在(2016年)に至るまで、一度も最高値を更新していない。

●それに引き換え、S&P500は常に右肩上がりである

この主張は客観的事実として正しいです。

N225

これは1987年からの日経平均株価のチャートです。

左端の1989年に大きな山があって、そこから雪崩のように転落。
その後アップダウンしながら横ばいなのがわかります。

1990年前後に日本株インデックスに投資した投資家は今でも含み損ということです。
(配当は無視。)

確かに過去25年で見ると、日本株長期投資は報われていません。

sp500チャート

これは同じく1987年からのS&P500のチャート。

途中、ITバブル崩壊とリーマンショックによって穴が空いていますが、基本的に右肩上がりです。

S&P500連動のETFが初めて設定されたのは1993年のことですが(SPY)、その時からSPYを保有し続けていれば複利で大きな財産になっているはずです。

過去25年で見ると、アメリカ株長期投資は報われています。

これらの主張は客観的データとして正しいので、聞いている方はぐうの音も出なくなります。
ただ、だからと言って、これからも日本株長期投資が絶対に報われないという理由になるのでしょうか?

確かに、浅い自己の経験に頼らず歴史に学ぶことは大切です。
ですが、歴史の期間の取り方があまりに恣意的すぎると誤解を与えかねません。

私は、よく見かけるこの1990年位からの日米チャート比較はちょっとずるいと思っています。

それはバブル崩壊時点の日本の株価は異常値だと思っているからです。

当時の日本株のPERは50倍を超えていました。
配当利回りはないも等しい状態でした。

当時の日本の投資家の間にファイナンス理論は浸透していなかったと思われます。

当時の日本のエピソードとしてこんな話を聞いたことがあります。
「株式はわずかな配当金を払うだけで返済の必要もないんだから、どんどん増資してしまえばいんだよ。」

ちょっと、ファイナンス理論をかじったことがある人なら知っていると思います。
株主資本コストは負債コストよりも高いです。
配当金だけが株主資本コストではないのです。

正しい株価はどう考えるべきか、なんて考えることなく熱狂のまま株価は実態を離れた水準まであがり続けました。

そして、アメリカのソロモン・ブラザーズに食われて一気に株価下落の道を辿るわけです。

株式価値に対する無知の代償を25年間払い続けてきたのが、この失われた20年の日本株式市場の真実だと考えています。

  バフェットが株式分割をしない理由

ウォーレン・バフェットはバークシャー・ハサウェイの株価が高くなっても株式分割を拒ました。

一般的に、経営者は自社の株式の流動性を高めたいと思い必要に応じて株式を分割します。

なぜバフェットは拒んだか。

それはバークシャーの株主がコロコロと入れ替わるのが嫌だったのです。
なぜ嫌かというと、投機的な株主が増えることによってバークシャーの内在価値と株価が乖離するのが嫌だったのです。

普通、経営者は自社の株価が高騰するのを喜びます。
ですが、バフェットは自社の内在価値を超えてまで、株価が上昇するのを嫌いました。

私たちの目的は、ほかの上場企業とは二つの点で少し異なっています。第一は、バークシャー株の株価が実態以上につり上がるを望んではいない点です。企業の内在価値を軸とした狭い値幅で株価が推移してほしいと願っています。マンガーも私も、過小評価を受けるのと同じくらい過大評価されることに悩まされました。どちらの行きすぎも、必ずバークシャーの業績とかけ離れた結果を多くの株主にもたらすからです。
株価が常に企業価値を反映するならば、バークシャーに投資したすべての株主は株式保有期間中のバークシャーの実態とほぼ近似した投資結果を得られるでしょう。

(『バフェットからの手紙』第3版より引用)

黄色がポイントです。

株価に企業価値を適切に反映されているのであれば、どのタイミングで株式を買った人も株式保有期間中の企業の業績実態と近似した投資損益を享受できるはずです。

でも、実際はミスターマーケットのせいでそうはいかないのです。

企業の実態と株価がかけ離れると、企業の利益計上タイミングと株式投資家の利益享受タイミングとに歪みが出るのです。

それがあまりに大きくなりすぎて、両者のタイミング調整に20年以上かかっているのが日本株式市場なのです。

1989年、バブル崩壊までの日本株高騰で企業実態とかけ離れた利益を一部の投資家(主にアメリカの外資)が掠めていきました。

その割を食ったのが、バブルの高値で株を掴まされた投資家です。

株主の利益は長期的には企業の利益と一致する、という株式投資の基本原則通りのことが日本株式市場で起こっているだけです。

  ここから先は実力次第の真向勝負

ここ20年ほどの日本株インデックスの低迷はバブル時の企業実態とかけ離れた株価の後処理をしているため、というのが私の解釈です。

そろそろ、その後処理も終わったと思います。

日本も資本主義である以上、株式投資家は総体として長期的に利益を得ることができるはずです。

ここから先は、日本企業の実態を反映して株価は上下していくと思います。

コーポレートガバナンス整備、ROE改善、労働市場改革など、どれだけ達成できるかが鍵になります。

将来は楽観できませんが、バブル崩壊後の25年間ほど悲観的な見通しを持つ必要はないと考えています。

アメリカ株が勝つのか、日本株が勝つのか、ここから先は両者の実力次第の真向勝負です。

  改めて歴史に学ぶ

日本株インデックスに過度の悲観は不要と述べました。

で、結局われわれは日本株インデックスをポートフォリオに含むべきか否か、そこが問題なわけですが、やはり歴史に立ち返りましょう。

バブル崩壊からの日本にとって不都合な25年だけをみるのは止めましょう。

IMG_0448(『シーゲル博士の株式長期投資のすすめ』 P22 図1-6より)

このグラフはシーゲル教授がアメリカ、ドイツ、イギリス、日本の1926年から1997年までの株式投資リターンを調査した結果です。

右下に各国のリターンが記載されています。

ここに残念な結果が確認されますね。

そう、別にバブル崩壊後からのチャートではなくても日本株式のパフォーマンスは他の先進国に比べてかなりアンダーパフォームしているのです。

結論ですが、S&P500ETFも容易にネット証券で買える昨今のインフラを考えると、汗水たらして稼いだマネーを敢えて日本株インデックスに投じる必要性は薄いと思います。

TOPIXが勝つか、S&P500が勝つかは今後は両者の実力次第と言いました。
ですが、歴史に学ぶ限り、勝負は見えています。

恐らく、S&P500が勝ちます。

  日本株は短中期 アメリカ株は長期で

私はTOPIX連動型上場投資信託(1306)を150万円ほど保有しています。

理由は、初めて投資をしたときにまとめて100万円購入して、幸いアベノミクスで時価が150万円まで上昇し50万円の含み益がありますが、このキャピタルゲイン税を払いたくないので、今はとりあえず保有しています。

今、日本株インデックスに100万円も投資するかと言われれば答えはNOです。

ところで、日本株は短中期投資であれば結構いいかもと思っています。

日本企業のROEや配当利回りはアメリカ企業を大きく下回りますが、政官財みなアメリカ型の株主資本主義に近づけようとしています。

これが日本国民の幸福に繋がるかという議論は置いておくとして、株主としては良い傾向です。

ROEが低い、配当利回りが低い、労働市場が硬直的、ということはこれが改善することによって企業利益が改善し、株価が上振れする余地を大きく残しているということです。

なので短期中期的には、日本株は大きく上振れする可能性を残しているのではと密かに期待しています。

ですが、30年超の長期投資を志向しているならば、素直にアメリカの優良企業に投資すべきです。

バフェットは言っています。
「普通の企業を素晴らしい価格で買うよりも、素晴らしい企業をそこそこの価格で買うほうが良い」と。

いくら日本で株主志向の企業統治改革が進行中といえども、今のアメリカのグローバルトップ企業の利益率、企業統治の水準に追いつくことは現実的に不可能です。

長期で保有すべき株式は、短期中期のサプライズ値上がりが期待できる企業ではなく、数十年の実績とブランドを兼ね備えていて高い営業キャッシュを安定的に稼ぐことができるエクセレントカンパニーの株式です。

長期投資であればアメリカ株が安全です。

30年以上保有する気があるならば、TOPIXよりS&P500に投資した方がいいと思います。

この記事の題名は「日本株インデックス投資に未来はないのか」でした。
その答えは、残念ながら明るい未来ではない、と言わざるを得ません。

 - 投資理論・哲学