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高配当利回りだけど高PER。これ買うべきか買わざるべきか。

      2019/06/16

『株式投資の未来』や『ウォール街で勝つ法則』などを読むと、高配当戦略や低PER戦略は非常に良好な投資成果を残してきたことがわかります。NYダウ銘柄など有名企業の中からシンプルにバリュー銘柄を抽出するだけで、S&P500指数を超えることも決して夢ではなさそうです。

以下は1957年~2003年の各投資手法の年率リターンです。

投資戦略 年率リターン
S&P500 11.2%
高配当(※1) 14.3%
低PER(※2) 14.1%

※1:S&P500採用銘柄のうち配当利回り上位20%
※2:S&P500採用銘柄のうちPER下位20%
(データソース:『株式投資の未来』)

高配当も低PER(つまり高益回り)もどちらも優秀な成績です。50年間の複利ベースでS&P500指数を3%もアウトパフォームするって半端ないです。年率で見るとたった3%かあと思うかもしれませんが、リターンの絶対額を計算するとその格差に驚くはずです。

高い配当利回り、低いPERだからって必ずしも割安と言えるわけではありませんが、結果としては割安に放置されている可能性が高いという事実を上記データは示唆しています。

さて、ここで一つ問題が出てきます。それは配当利回りは高いけど、PERは高い銘柄に投資すべきかということです。高利回りかつ低PERだと二つの条件をともにクリアしているので悩みません。でも、配当利回りは「〇」だけどPERは「×」という銘柄は結構あり、その取り扱いに悩むことがあります。

具体的な銘柄を挙げるとコカ・コーラ(KO)があります。株価は50ドルを超え史上最高値更新中ですが配当利回りは3.1%と高配当。一方でPERは24.6倍と市場平均を超えています。

コカ・コーラのようなバリュエーション(高利回り高PER)の銘柄はちょくちょく見受けられます。特に生活必需品セクターに多い印象です。こういう銘柄をどう判断すべきか。高利回りを重視して投資を続けるか。それとも高PERを警戒して財布の紐をギュッと締めるべきか。

そもそも、株価に対する配当は大きい(高配当)のに、株価に対する利益が小さい(高PER)とは何を意味しているのか?

それは配当性向が高いことを意味しています。「高利回り×高PER=高配当性向」です。算数で考えればわかることです。利益の割に株価は安くないんだけど、利益の大半を配当に回すことで利益の割に高い配当になっているということです。コカ・コーラは80%弱という高い配当性向によって高利回りを実現しています。

そもそも株価のバリュエーションは配当ではなく利益で見るのが理論的です。配当は経営者の資本政策次第で増減するからです。無配の企業もあるし、配当よりも自社株買いを好む企業もあります。企業の実力は配当ではなく利益で測るべき。バリュエーションは配当利回りよりもPERで測るべき。これが理論的な帰結だろうと私は思います。

しかし、理論と現実は一致しません。『ウォール街で勝つ法則』は機械的なバリュー株投資戦略では、配当利回りに着目する投資法がもっとも優秀だと結論付けています。『株式投資の未来』も高配当株戦略は低PER戦略よりもパフォーマンスが高いと分析しています(上記表の通り)。

なぜ、理論に反して高配当銘柄は優秀なのか。これは私の意見ですが、先に言った通り高配当は高い配当性向によって実現されているケースがあるわけですが、その高い配当性向が経営者にコストマインドを醸成させ、結果として株主資本が守られるのではないでしょうか。配当性向が高いということは、ちょっと減益になっただけで増配ができなくなります。最悪、減配になります。連続増配が当然の米国企業では減配は最後の手段です。高配当性向の企業は減配を避けるために、コスト管理を徹底する必要があります。無駄な投資は1円たりとも避けねばなりません。こういう現実が高配当株のパフォーマンスを押し上げているのかもしれません。

理論と現実、どちらを優先すべきか?

うーん、悩ましい。
どちらも大事かな。

どちらも大事だけど、PERをより重視したいというのが今の私の考えです。配当好きだから高配当利回りは嬉しいけど、PERをガン無視するわけにはいきません。

やっぱいくら高配当利回りと言えども、あまりにPERが高ければ警戒すべきだと思います。コカ・コーラのような成熟企業であれば、現在の25倍というPERはやや警戒すべき水準に感じます。10年債の利回りが2%しかない時代に、3%を超える配当利回りは魅力的です。魅力的だけど慎重になりたい。

ブラックロック(BLK)という世界最大の資産運用会社があります。同社の配当利回りは現在3.0%とKOと同等です。一方で、PERは16倍です。高利回り中PER。必然的に配当性向はKOより低く47%です。セクターが異なるので単純比較するのはおかしいですが、これくらいのバリュエーションが投資しやすいです。やっぱPERは大事だと思います。

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