投資で損をしないためには、低コストなETFやインデックスファンドを選ぶことに尽きます。最初の商品選びさえミスらなければ、多少購入タイミングが悪くても長期ではきちんとリターンが出ます。

バンガードやブラックロックなどが提供する優良ETFに投資していれば先ず安心だと思います。S&P500やNYダウ、あるいは高配当系やセクター系などのスマートベータもあります。信託報酬が0.2%を下回るようなローコスト商品を選んでおけば、大きな問題はないと思います。

S&P500ETFと高配当ETFどちらがより高いリターンなのか、それは将来にならないとわかりません。

もちろん、優良企業の個別株を保有するのもOKでしょう。これだと信託報酬はゼロになりますね。

世の中には信託報酬が1%超で、購入手数料は3%前後するような「悪質」な金融商品もあります。こういう商品は通貨選択とか為替ヘッジとか、如何にも複雑ですごい商品にみせかけて、実はコストが高いだけで大したリターンを生まない商品であるケースがほとんどです。

こういう高コストな商品に投資しても往々にして手数料負けするだけであって、金銭的なリターンを得ることは難しいと思います。

そんな高コストな金融商品を排除しようと、金融庁も毎月分配型投信や個人年金保険、ファンドラップなどに対してダメだししています。

確かに私やこのブログをご覧のあなたにとって、世の中の99%の金融商品は買うに値しないダメ商品だとは思います。

私も金融庁がダメ出ししているような高コスト商品はこの世に存在する価値がないと基本的には思っているのですが、最近一概にそうとは断言できないときもあるかもなと思います。

この世に商品が存在する以上必ずそれを必要とする人がいる、、かもしれません。

結局、最後は商品を買った人が感情的に満足していればいいのではと思います。

確かに信託報酬が1%以上するような投資信託なんて買っても、ほとんど儲からないでしょう。

私は以前記事で「お金持ちになりたきゃ、キャバクラなんて行くな!」と豪語していたのですが、最近ちょくちょくキャバクラ行ってます。。

最近知り合ったキャバ嬢の方が、異様にインテリというか経済の知識が豊富で驚きました。で、前職をお聞きしたら某大手証券会社に新卒で入社したとのこと。でもそこでの仕事が嫌になって、今は夜のお仕事を頑張っているとのこと。その大手証券会社から投資信託を購入した方はほとんど皆損をしていたそうです。まあ詳しいことは聞きませんでしたが。

「うん、私もETFが絶対に良いと思いますよ~、投資信託よりもETFがお勧めです!」ってキャバ嬢の方はおっしゃっていました。まさかキャバクラの女性とETFの話ができるとは思いませんでした。

そうなんです、やっぱり大手証券会社が提供しているコストが高い商品を買った人は大体損をしているようです。実際に働いていた方が言うのだから間違いないでしょう。

ただ、経済的には損失でも購入した人が感情的に満足なら、それは他人がどうこう言う話ではないかもなとも思うんです。

 

例えば、「クリーンエネルギーファンド」なるような投資信託って存在しますよね。正直言って、こんな投資信託買っても儲かる可能性はかなり低いと思いますよ。S&P500ETFに長期で勝てる可能性は0.1%くらいでしょう。

では、この「クリーンエネルギーファンド」の存在価値はない?

以前の私なら問答無用でYESと答えていたでしょう。

でも、今は完全にYESではないかなとも思います。高コストで儲からない「クリーンエネルギーファンド」にも一定の存在価値があるかもなって思います。

それはこの「クリーンエネルギーファンド」を買って感情的に満足する人がいれば、本人が環境フレンドリーな自分に酔い惚れて満足感を味わえるのであればそれはそれでいいんじゃないかなってことです。

クリーンエネルギーをテーマにしたファンドを買う人って、環境汚染のないエコに投資できている!、次世代エネルギーに投資して私は社会に貢献している!という気分を味わっているかもしれません。だから高コストでも構わず投資しているのかもしれない。

もちろん、「クリーンエネルギーファンド」に投資することが金銭的に高いリターンを生むと証券会社の営業マンに教え込まれて投資しているとすれば、それは喜ばしいことではないと思います。

金銭リターンは差し置いて、環境に優しい投資をして社会に貢献したいと思っている人がいて、「クリーンエネルギーファンド」を買って感情的に満足しているなら、それはもう価値観の問題であって周りがどうこう批難できる次元の問題ではないのだろうと思うんです。

ストーリーに共感してお金を払うって別に珍しいことではないと思います。

 

トヨタのプリウスってありますよね。燃費が良くて環境にも良いハイブリッド車です。

こういうエコカーを買う人に対してこんな批判をする人をみかけます。

「走行中の排ガスは確かに減るかもしれない、でも製造過程のCo2まで考えればプリウスは決してエコカーじゃない!騙されるな!!」

私は環境の専門家でも何てもないので知りませんよ。走行中のCo2節約と製造過程のCo2排出がどれくらいなのか比較する知識なんて全くありません。

なんですが、何だろうか、そういう指摘は余計なお世話じゃないかなって思うわけです。

世の中にある商品やサービスは誰かが価値を感じてお金を払うから存在します。そのために企業はマーケティングやブランディングを必死にやるわけです。もちろんそのマーケティング活動で明らかなウソを付くのはいけないと思いますよ。でも、そのマーケティングで潜在顧客に独自の価値観やイメージを訴えるのは自由です。

トヨタは、プリウスは燃費が良くて環境に優しい近未来の車というコンセプトで売っています。それに共感して価値を感じるか否かは顧客が判断することです。単純にガソリン代が浮くという経済的な理由で買う人もいると思いますが、エコカーに乗って地球環境に優しい人でありたいという感情で買う人もいるでしょう。

そういう感情で買う人の行為を周りが否定するのは、本当に余計なお世話だと思うんですね。何に価値を感じて満足感ある人生を送るかは人それぞれなのですから。

経済的に得だと思っている人に向かって「いやいや広告燃費通りにはいかないよ!」と忠告するのは良心的だと思いますが。

 

あと、こんな話も聞いたことがあります。

独り暮らしのおばあちゃんが証券会社の営業マンに騙されて?高いコストの金融商品を買って損をしていた。けしからんと。

でも、その独居おばあちゃんは、独り暮らしで寂しい中たまに営業で会話してくれる営業マンに会うことを楽しみにしていたと。だから商品を買ったと。もちろん、そのおばあちゃんが金銭的に損をするなんて全く思っていなくて、営業マンに騙されて高コスト商品を買わされていたら、それはダメだと思います。

でも、そんなに儲からないと承知の上で、営業マンの成績のために投資信託を買ってあげたおばあちゃんもいるかもしれない。

それは「独りぼっちの私の話相手になってくれてありがとう」という意味かもしれません。であれば、そのおばあちゃんの判断を周りがどうこう言うことはできません。それでおばあちゃんの心が満足ならそれでいいのではと思うんです。

 

人が何に価値を感じてお金を使うかは人それぞれです。あなたにとっての常識は、あなた以外の世界では非常識なことがよくありますね。

特に男女の違いなんて顕著ですよね!

この前、会社の女性3人と一緒に新宿のお洒落なカフェに行っておしゃべりさせられたのですが(まあ私はただのATM役です。。)、そこで女性たちは永遠と手相占いの話をし出すのです。手相占いで1時間以上も話せるってある意味才能ですよね。もう私には何が楽しいのか全く理解不能です。途中から一人で本読んでいました。

「ねーねー手相見せて~、ああ残念だね~これじゃあ40歳まで結婚できないよ、ハハハ」、「ここで線が二つに分かれているからなんたら・・・」とか。

男と女では楽しいと感じることにあまりに大きな差があると思います。やっぱり価値観は人それぞれですね。女性ってお金払ってまで手相占いとかしてもらうじゃないですか。ああいうお金の使い方は私には理解できません。でもその女性にとっては価値あるお金の使い方なわけです。てか、そういう需要があるから占い師のビジネスは成立しているわけですね。

 

投資の話に戻ります。

私は高コストアクティブファンドを買えなんて、あなたに言う気はもちろんないですよ。このブログをご覧のあなたは99%投資には金銭リターンを求めていると思います。私もそうです。だから低コストなインデックスファンドとかETFを買うことをお勧めしますよ。

ただ言いたいのは、世の中には様々な需要があるということです。その需要は人の感情に基づいているのだから、ぱっと見では、自分の常識というフィルターを通して見ていては、その需要の本質は理解できないということです。

米国株投資をしている金融リテラシーが高いあなたの脳内フィルターで見れば、証券会社の高コストな投資信託なんてなんのために存在しているのか理解できないと思います。

ただ、世の中にはそういったファンドを買って心情的に満足している人もいるかもしれません(別に高コストファンドの存在を称賛しているわけでは決してありません、基本的には不要だと思っています。)

自分の目線だけで世の中を見るのではなく、もっと客観的に世の中をみるべきなのかもしれない、と最近よく思います。