私のポートフォリオの20%強を占めるのがブラックロックの高配当ETFである[HDV]です。競合する他のETFと比べて配当利回りが高く、かつ比較的少数の大企業を中心にポートフォリオを組んでいるのが特徴です。優良企業のパッケージという感じで安心して投資できるし、何より配当が多いのが好きです。
HDVは3か月に1回のペースで銘柄を入れ替えます。頻繁な銘柄入替えはパフォーマンスに悪影響だろうと思っているのですが、高値の銘柄を上手く除外してくれることもあるんです。機械的な銘柄入替は意外と悪くはないかもなと思いHDVを保有し続けている次第です。
ただ、銘柄入替のウォッチは必須ということで。3か月に1回HDVウォッチの記事を上げています。
さてさて、2018年も半年が過ぎようとしています。今年2回目のHDV銘柄入替が6月15日に実施されました。
(主な追加銘柄)
スリーエム(MMM)
ブロードコム(AVGO)
ブリストルマイヤーズ・スクイブ(BMY)
(主な除外銘柄)
ウェルズ・ファーゴ(WFC)
フィリップモリス・インターナショナル(PM)
IBM
フィリップモリスとIBMが除外された!!
(追加銘柄)スリーエム、ブロードコム、ブリストルマイヤーズスクイブ
スリーエムはポストイットを開発したことで知られているコングロマリット企業です。家庭用品からヘルスケア、素材まで色んな事業を持っています。連続増配58年の配当王です。キャッシュフロー、配当ともに安定感のあるディフェンシブ銘柄です。営業CFマージンは20%を超えます。
スリーエムは個別銘柄としても投資を検討していたくらいなので、今回のHDVへの追加は嬉しいです。年初には株価は250ドルを超えて利回りは2%を切っていましたが、ここ半年株価は不調で利回りは2.8%まで上昇してきました。スリーエムの増配余力を考えれば利回り2.8%は悪くはないと思います。利回り上昇がMMMの追加理由です。
ブロードコム(AVGO)は半導体大手です。前身の企業名がアバゴ・テクノロジーズなのでティッカーが”AVGO”となっています。
クアルコムを1170億ドルという超巨額マネーで買収しようと試みましたが、トランプ大統領の鶴の一声でご破算になりました。名目は安全保障上の配慮ということです。次世代の高速通信規格である5G展開で中心的な役割を期待されているクアルコムを、シンガポールに本社があるブロードコムが買収するのはマズイだろうという判断です。ただ、ブロードコムは税務上の理由で本社をシンガポールに置いているだけなので、トランプ政権がこのM&Aに待ったを掛けた本心はちょっとわかり兼ねてます。
ブロードコムの業績が好調なのは知っていますが、米国株銘柄分析で取り上げていない銘柄で過去の利益推移、キャッシュフロー推移は見たことありません。ディフェンシブ性の高い企業だといいな~と思います。時間ある時に見てみます。半導体メーカーは景気循環銘柄という印象は持っています。
ブリストルマイヤーズ・スクイブはがん治療薬「オプジーボ」を持つ製薬大手です。競合メルクのがん治療薬「キートルーダ」の治験結果が良好だったのを受けて、今年3月辺りを境に株価は下がり気味です。配当利回りは2.9%と高配当。
確か去年の今頃バロンズが「ブリストルは割安だ」って言ってた記憶がありますわ。がん治療薬だけに頼った製品ポートフォリオでもないですし、歴史ある優良製薬メーカーとして安定した営業キャッシュフローが期待できます。HDV参加を歓迎します。願わくば、長期的に保有して欲しいです。すぐにポイポイ入れ替えるのではなく。
ちなみにHDVにはライバルのメルクも含まれています。あとファイザーもね。
(除外銘柄)ウェルズ・ファーゴ、フィリップモリス、IBM
ウェルズ・ファーゴが除外されました。もうこれはどうでもいいです(笑)。HDVは過去もWFCを追加しては、3か月後に除外したりとWFCをもてあそぶ傾向があります。WFCとしてはいい迷惑ですね。2017年9月に追加されたWFCでしたが、1年も経たずにまた離脱。WFCさようなら、また会う日まで。
で、ここからが本題。
フィリップモリス・インターナショナル(PM)がついにHDVから除外されました。私がHDV銘柄データを取得できた最古は2011年12月です。少なくともHDVに6年半も在籍し続けたベテランがついに引退となりました。
理由は”Distance to Default”。直訳するとデフォルト懸念となります。PMの業績に不安ありということで除外されたわけです。日本での加熱式たばこ「アイコス」の売れ行きが想定を下回ると発表して、4月に株価が暴落しました。おかげで利回りは5%超まで上昇しましたが、HDVは「PMに減配の恐れあり」と判断したのでしょう。
うむ、、個別銘柄でPMを200万円近く保有している私としてはこのHDVの判断は興味深いです。ちょっと不安になりますね。。確かにPMは減配リスクとは無縁ではないです。営業CFは潤沢ですが、配当性向高く財務的なクッションは薄いです。
そして次。IBMも除外となりました。理由はPMと同じで”Distance to Default”。「IBMにも減配リスクあり」というのがHDVの判断です。
私の手元にあるエクセルデータによればIBMは2015年12月にHDVに加わっています。2015年はまだバフェットが投資していた時期です。IBMがアマゾンやマイクロソフトに喰われるのでは、という予測からIBM株が売られ始めたのが2015年あたりでした。その株価下落による利回り上昇を好感してHDVはIBMを仲間に加えたと推測します。しかし、、しびれを切らしてついにIBMを手放しましたね。
うむ、私はIBMにも100万円ほど投資しているので、このHDVの判断にも不安を覚えます。まあ、HDVはETFなので機械的に入れ替えしているだけで、そんなに気にしなくてもいいかなとも思ってますけどね。
直近のHDV構成銘柄
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なんかPMいないの寂しい感じです。
参考までに
【MMM銘柄分析】3M(スリーエム)は50年超の連続増配記録を持つ優良コングロマリット
【BMY銘柄分析】ブリストル・マイヤーズ・スクイブは「オプジーボ」を開発したバイオ医薬品会社
PMが除外されたのは、やはり、大きな債務超過状態で配当性向100%はダメっていう私の意見と同じことでしょうね。
HDVから外れた影響は株価にどれくらいの影響があったのでしょうか?
こんにちは。
債務超過と高い配当性向は昔からなので、将来への業績不安から除外になったのかな~と推測しています。
HDVの銘柄選別に数字以外で、どれくらい人の判断が介入しているかわかりませんが・・。
このHDVの”Distance to default”はやや不透明な基準でわかりづらいです。
ウェルズファーゴが頻繁に加入・除外を繰り返すのも、この基準によるものでして。
>HDVから外れた影響は株価にどれくらいの影響があったのでしょうか?
HDVの純資産額は58億ドルで、うちPMの比率は約4%でしたのでだいたい2.5億ドルくらい保有していたと推測されます。
一方でPMの株式時価総額は1200億ドルもあります。
よって、HDV除外が株価に与える影響は軽微だったと思われます。
なるほど、HDVの時価総額ってそんなに小さいんですね。
それにしても、一応インデックス投信であるはずなのに、組み入れ銘柄がコロコロ変わりすぎな気もします。
ある程度株価が上がって配当利回りが下がったら外されちゃうし、この銘柄は株価上昇の恩恵を受けられない気がします。
その割には3%程度の利回りしか無いんですよね。
HDVは2つの理由で銘柄を入れ替えます。
・Distance to default
・Yield
後者の”yield”が理由で銘柄が入れ替わるのは、長期でパフォーマンス向上につながる可能性があると期待しています。
いくら利回りが高まっても、個人が優良株を手放すのは勇気がいることですが、HDVは機械的にやってくれます。
JNJなどいいタイミングで一度切ってくれました。
一方で、前者の”Distance to default”は信用ならないです。かなり適当な印象を受けます。
そもそも長期投資に相応しい企業かどうかは、数カ月や数年で変わるものではありません。
今回のウェルズ・ファーゴとか頻繁にコロコロ入れ替え過ぎです。
ただ、”Distance to default”の基準でGEを早期に足切ったのは良かったです。結果論ですが。
というわけで、HDVは良い面も悪い面もあります。なかなか難しいETFです。
諸事情あって、少し割合を落とす予定です。
配当金狙いなら、HDVとかVYMよりRDIVの方が良いと思うのですが、いかがでしょうか?RDIVは配当金4パーセントのETFです。なぜか人気が出ないので、いつ店じまいしてもおかしくなさそうだったり、気がかりなところはたくさんあるETFではありますが。
RDIVとは初耳です。4%はほどよく高い利回りですね。
モーニングスターで構成銘柄を調べましたが、上位銘柄に百貨店など個人的に長期保有は避けたい銘柄がいくつかありました。
なので、私は買わないと思います。VYMとHDVが配当系のETFとしては好きですかね。まあ、単に知っている優良企業が多いからそう思うだけですが。
ご紹介ありがとうございました。知らないETFを知れて勉強になりました。