ブログをスタートして3年。これまでのれんに関して結構な数の記事を書いてきました。最近ものれんのれんと言い続けていて、うるさくてすみません。
別に「俺は公認会計士でのれんの会計処理に詳しいんだぜ!」的なくだらない自尊心で言ってるわけではありません。このブログを読んでくれているあなたに、のれんについて知って欲しいと真剣に思っているからです。
くだらない自慢話をするほど暇じゃないです。あなたも仕事・家庭で忙しい中、貴重なスキマ時間を見つけてこのブログを読んでくれていると思います。いつもありがとうございます。
同じく私も仕事やゲームで(笑)時間が限られる中ブログを書いています。だからこそ、記事にする内容は吟味しています。仕事している時、ニュースを読んでる時、友人と会話してる時、ホントにたくさんブログで書きたいこと出てくるんです、それこそ山のように。その中で、本当に伝えたいことだけをピックしています。雑談記事も結構ありますが。。
これは無料ブログですが、手を抜いて記事を書いているつもりはありません。「有料でも読みたい!」と言って頂けるくらいのコンテンツに育てたいです。まだまだ全くそんな領域じゃないし、有料にする気なんてさらさらありませんが、自分の持っている知識・考えは限界まで叫んでいるつもりです。
のれんはどうしても伝えたい内容の一つです。
長期投資を志すあなたに知っておいて欲しい概念です。
会計処理は別にどうでもいいです。償却するとかしないとかってあまり気にする必要ないです。なんでどうでもいいのかと言うと、目に見える会計上ののれんに限定されているからです。より大事なのはバランスシートに表れていない経済的なのれんの方です。
経済的なのれんはBSに計上されないので、会計処理の議論も当然に出てきません。必然的に償却するもしないも議論に上がりません。そうやって話題に上らないから忘れ去られがち。最近日経とかで大体的にのれんの処理について記事になりますが、あれは企業が持つのれんのほんのごく一部の話です。
会計上ののれんが経済的なのれんに比べていかに小さいかは、例えばコカ・コーラのバランスシートを見れば一目瞭然です。優良企業になればなるほど(特にあまりM&Aをしていない企業は)、会計上ののれんに比べて経済的なのれんが大きくなります。ほんの小さな会計上ののれんの処理なんて別に気にする必要ないです。てか所詮会計なので、それをどうしようとキャッシュフローは変わらないし、企業の実態が変わるわけじゃありませんから。会計処理が変わって投資リターンが変化することはありません。
じゃあ、なんで僕は事あるごとにのれんの会計処理に言及しているのか?
それは知るきっかけになるからです。普段は馴染みのないのれんについて触れる良い機会になるからです。会計上ののれんの話をすることが、経済的なのれんを理解するトリガーになると思っているからです。経済的なのれんを多く持つ企業は長期投資向きな優良企業である可能性が高いです。
長期投資では一にも二にも適切な銘柄選別が重要です。何を以って優良銘柄と判断すべきかは一概には言えません。ROE、営業利益率、配当実績など色んな視点があります。その中に「大きな経済的のれんがあるか」という新たな視点を加えられるといいかなって思います。
大きな経済的のれんがあるとは、つまりPBRが高いということです。意味は一緒で言葉、表現が違うだけです。それでよくて一つの事実に対して色んな見方ができた方が投資は楽しくなるし、理解も深まると思うのです。
だから日経やWSJでのれんの話題が出ると「お、きたきた!」と思って、それをコンテンツにしたくなります。
最近のれんの会計処理の話題がよく新聞などに出てきます。ああいう会計処理の議論は知っておくに越したことはないけど別にどーでもいいです。監査法人と経理部がわかっていればいいだけ。
投資家として抑えておくべきは「のれんとは何か?」という概念的なところです。
のれんが大きな企業は長期投資に向いている可能性が高いです。ただし、それは会計上ののれんではなく経済的なのれんです。
最近、のれんの話題をメディアで頻繁に見かけますので、これをのれんを少しでも知るきっかけにしてもらえると嬉しいです。一度に全部を理解する必要なんてないです。まずは「のれん」という言葉を知るだけでも大きな一歩です。
このブログを読んで、のれんの概念、PBRがあらわすものの理解が大変深まりました。
ただ、どうしても、忘れてしまったり、意識から離れてしまうことがあるのでこうして定期的にブログで取り上げて頂けると助かります。
私は、日経をよんで、のれんという言葉がかいてあると、このブログを思い出すレベルまできてますよ(笑)
なんか洗脳みたいなことしちゃってすみません(笑)。
でもそこまで浸透させることができて嬉しくも思います。
自分の考えがいつも正しいとは全く思ってませんが、世のマネー誌には明らかに誤解を与える説明が堂々と載っています。
特にPBRが1倍未満→割安→儲かる、というロジックはよく見かけます。
PBR1倍未満ということは「経済的のれん」がない証であって、そんな企業は長期投資に値しません。
資産株として買ったり、短期トレードで買ったりするのはありだと思いますが。
PBRを理解するためには「経済的のれん」の概念を知っていた方が便利だと思っています。
だから「のれん」を知って欲しいなと思います。
これからもちょくちょく取り上げますね。
いつも参考になる記事ありがとうございます。本日発表されたfacebookののれん18,304百万ドルはどう捉えればいいでしょうか。
今のフェイスブックのバランスシートに計上されているのれんですね。
BSにあるので、これは会計上ののれんということになります。
過去の買収(ワッツアップなど)によって獲得した被買収企業の無形価値です。
大事なことは、フェイスブック自身ののれん価値は、この会計上ののれん18,304百万ドルには含まれていないという点です。
フェイスブックのPBRは6倍くらいです。
つまりフェイスブックは多額の経済的のれんを持っています。
バランスシートには見えていない無形財産を保有しています。
こんばんは
のれん…解説の連載、有難うございます。
まだまだ、理解が及ばない点がありますが……自分のポートフォリオの中身を自分なりに考察してみたいと思います。
資産の時価や簿価など見極めるのが難しい初心者なので……まずは、PBRを手掛かりにザックリと保有銘柄の”のれん”的な価値を感じ取ろうと思います。
いつも有難うございます
いえいえ、なかなか上手く説明することが難しいところで、記事を書きながら何度も手が止まりました。
のれんは難しい概念なので、理解できなくてもそんなに気にする必要ないです。
そもそも経理部でも分かってない人が結構いるくらいです。
連結会計を担当していれば、会計上ののれんには触れる機会がありますが、経済的のれんは意識しないと理解できません。
ROEやPBRなどの指標を管理する財務部門の方が得意かもしれません。
資産の時価を自分で見極めるなんて私も無理です。
基本は企業が開示した財務諸表を見るだけです。
最近記事で言っている経済的のれんもあくまでもマーケットが時価評価したものに過ぎません。
確かに自分なりの経済的のれんを評価できるに越したことはありませんが、それはなかなか難しいですね。
でも自分なりにストーリーを考えることは大切なことかな~とも思います。
はじめまして。
お店の前にかかっているのれんが「のれん」の象徴だと思うのですが、米国でも同様なものはあるのでしょうか。
はじめまして。
会計の「のれん」の語源は確か暖簾で間違いないです。
米国には暖簾の文化はないのでは・・(推測です)。
なお英語ではgoodwillと言います。