S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。

データソースはMorningstarです。

今回はゼネラル・モーターズ(GM)をご紹介します。

基本情報

会社名ゼネラル・モーターズ
ティッカーGM
創業1908年
上場(再上場)2010年
決算12月
本社所在地ミシガン州デトロイト
従業員数173,000
セクター一般消費財
S&P格付BBB
監査法人EY
ダウ30×
S&P100
S&P500
ナスダック100×
ラッセル1000

地域別売上構成比

セグメント別売上構成比

業績

キャッシュフロー

バランスシート

資産

負債純資産

株主還元

連続増配年数

なし

過去4年の配当成長

年率+6.1%

この4年で配当は1.3倍になりました。

過去の株主リターン(年率、配当込み)

経営破綻後の再上場以来(2011~2018):+1.3%

バリュエーション指標(2019/5/26時点)

予想PER:5.6倍 最新情報はこちら

配当利回り:4.3% 最新情報はこちら

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ゼネラルモーターズ(GM)は販売台数で米国最大、世界でも3位に位置する大手老舗自動車メーカーです。

「老舗」と言いましたが2009年に経営破綻しているので、新生GMとしてのキャリアはまだ10年ほどです。リーマンショックに伴う景気悪化で連邦破産法を申請し、政府支援の国営企業として最出発となりました。現在は米政府は全株売却済みです。

シボレー、キャデラック、ビュイック、GMCといったブランドを保有しています。2018年の総販売台数は838万台でグローバルでの市場シェアは8.9%。北米での市場シェアは16.2%でした。

売上高の8割以上は自動車及び関連パーツの販売収入です。一部金融収入もあります。GMファイナンシャルを通じて、リテールローンやリースローンを提供しています。

財務データを確認しましょう。

過去の財務データを見るとFY09に純利益が突出しているのが目立ちます。詳細は調べていませんが、経営再建に関連する一時利得によるものと思われます。売上高は2010年以降はほぼ横ばいですね。

FY18の売上高は1,470億ドルで前年比+1%。 総販売台数は前年の960万台から838万台へと大幅に下落しましたが、売上高は何とか横ばいを維持しています。トラックやクロスオーバーなど単価の高い商品の需要が高まっているためです。北米市場では+2.2%の伸長。米国外市場は為替のハンデ(ブラジルレアル安、アルゼンチンペソ安)や、事業撤退の影響もあり10%以上の減収となりました。

FY18の純利益は80億ドル。前年FY17は一時的な税金費用もあって最終赤字でしたが、FY18は黒字転換。純利益率は5%と利幅は浅いです。

営業CFはFY09を除けば、この10年は常にプラスを維持しています。ただフリーCFのマイナスが気になりますね。フリーCF=営業CF-設備投資です。この5年間はフリーCFがマイナスの状態が続いています。自動運転など新技術への投資コストが嵩んでいるものと思われます。

バランスシートを見てみましょう。流動資産は在庫ではなく金融債権が大半を占めます。GMファイナンシャルの事業があるためでしょう。固定資産は生産工場等の有形固定資産と繰延税金資産が多いです。税金資産は過去の繰越欠損金に対するものです。

FY14から配当を出しています。表面的な配当性向は30%と低いものの、フリーCFのマイナスが続いていることが不安ではあります。自社株買いは毎年20億ドル~40億ドル実施してきましたが、FY18は2億ドルに留まりました。