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【GIS銘柄分析】ゼネラルミルズは100年以上も配当を守り続けてきた歴史ある食品メーカー

      2018/07/28

※2018年5月期決算データ反映、BSデータ追加、コメント刷新(2018/7/27)

S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。

データソースはMorningstarです。

今回はゼネラル・ミルズ(GIS)をご紹介します。


    GIS財務情報等

基本情報

会社名 ゼネラル・ミルズ
ティッカー GIS
創業 1928年
上場 1928年
決算 5月
本社所在地 ミネソタ州
従業員数 38,000
セクター 生活必需品
S&P格付 BBB
監査法人 KPMG
ダウ30 ×
S&P100 ×
S&P500
ナスダック100 ×
ラッセル1000

 

地域別売上構成比

 

セグメント別売上構成比


地域が混ざっていてわかりずらいセグメンテーションですが、10-Kレポートの注記をそのまま和訳しております。

 

業績

 

キャッシュフロー

 

バランスシート

資産

負債純資産

 

株主還元

 

連続増配年数

14年

 

バリュエーション指標等(2018/7/27時点)

予想PER:14.4倍 最新情報はこちら

配当利回り:4.4% 最新情報はこちら

 

感想

ゼネラルミルズは米国を中心に食品ビジネスを展開している企業で、シリアル、スナック菓子、ヨーグルト、冷凍食品、アイスクリームなどを取り扱っています。

日本人に馴染みのあるブランドとしてはハーゲンダッツや、とんがりコーンがあります。とんがりコーンってハウス食品のお菓子ですが、米ゼネラルミルズとの技術提携によって生まれた商品だったとは全く知らなかったです、驚きました。他には「チェリオ」、「チェックス」、「ヨープレイ」、「ナチュラル・バレー」など多くのブランドを有しています。

近年は新興企業やPB商品に悪戦苦闘しています。特に売上の落ち込みが激しいのがヨーグルトブランドの「ヨープレイ」です。新興ブランドのチョバニにシェアを大きく奪われています。チョバニはトルコの移民が10年前にニューヨークで立ち上げた新しいブランドです。

食品は口に入れるものですから安全性が大事で、その安全性を担保するのがブランド力です。ゼネラルミルズは1856年創業の伝統ある企業で、100年以上の時間が生み出した強いブランド力を持つ企業です。

そんな老舗食品企業でも新興企業にシェアを奪われています。

生活必需品は切り替えコストが低いという面が、事業としての弱みです。普段買っているヨーグルトを止めて、別にヨーグルトを買うのは簡単なことです。安いですし、気軽に他社の商品に乗り換えることが可能です。使い慣れたアイフォンからアンドロイドに乗り換えるのとはわけが違います。試しに食べたヨーグルトが「お、意外に美味しいじゃん!」ってなれば、消費者は今後もその新しいヨーグルトを買い続けるでしょう。食品ビジネスなど生活必需品セクターは長期投資にふさわしいとよく言われますが、銘柄選別は意外に難しいと感じます。

ゼネラルミルズ経営陣は黙って見ているだけではありません。2018年にペットフード大手のブルーバッファロー社を80億ドルで買収しました。同社は2002年創業で、人口着色剤を使用しない自然食品を使ったペットフードを製造販売して成功してきました。ペットフードは成長産業で、人間の食べ物と同じくオーガニックな食品が受けているようです。

※上記財務データ(2018年5月期決算まで)にはブルーバッファローの業績は一切反映されていません。業績貢献は2019年5月期決算からです。BSには反映されています。

財務データを見てみましょう。

過去10年売上高は安定していますが、FY13をピークに下り坂です。直近2017年度(2018年5月期)は前年から売上が1%ほど僅かに伸びていますが、ドル安が寄与しています。為替の影響を除けばトントンです。北米リテールが悪化しましたが、ヨーロッパ&オーストラリアでの伸びでカバーしました。

粗利率は35%前後で今のところ安定していますが、今後厳しいビジネス環境に屈して下がることがないかウォッチしていきたいところです。売上高トントンの割に純利益・EPSが上昇していますが、税制改革にともなう一時収益が約5億ドル生じたためです。

キャッシュフローは毎年安定してプラスで推移しており安心できます。こういうところは、さすが食品銘柄という印象です。営業CFマージンは15%を超えており合格。

バランスシートを見てみましょう。FY17にやや固定資産の比率が上昇していますが、ブルーバッファロー買収に伴ってのれんと無形資産が増えているためです。(※ブルーバッファローの業績がPLに反映されるのはFY18からですが、BSはFY17末より反映されます。)
総資産の9割近くが固定資産で少し不思議に感じるかもしれませんが、中身のほとんどは過去の買収によって認識したのれんと無形資産です。設備等の有形固定資産は総資産の1割ほどしかありません。

負債比率は増えていませんが、絶対額で見れば有利子負債は着実に増加しています。ブルーバッファロー買収のために60億ドルの社債を発行をしています。S&P格付けは前年の”BBB+”から”BBB”に1ノッチ下がっています。キャッシュフローが安定しているため借入返済に懸念はありませんが、やや債務過剰になってきた印象を持ちます。今年度も自社株買いは控え目にして債務返済を優先する可能性があります。

連続増配年数は14年ですが、過去100年以上一度も減配していません。事業環境が厳しくなっても配当を頑なに守る姿勢は、長期投資家にとっては嬉しいポイントです。自社株買いも多く総還元性向が100%を超えている年も珍しくありません。直近FY17は自社株買いが例年より10億ドルほど自社株買いの規模が少ないですが、ブルーバッファロー買収のためなのでやむ無し。対価80億ドルのうち10億億ドルは手元資金を充当しています。

 

食品の需要は今後も消えることはありません。
食べないと生きていけません。

ですが、すべての食品メーカーが生き残れるわけじゃありません。ゼネラルミルズの食品ブランドはこれからも米国社会に必要とされ続けて、利益を生み出し配当を出し続けることができるのでしょうか。

ネスレCEOはWSJでこう語っていました。

古き良き時代には小売店の陳列棚が新規参入を阻むための重要な障壁だった。

今はネットで新興企業が簡単に市場に参入できます。

ゼネラル・ミルズはネット時代に生き残ることができるのでしょうか。

どうでしょうか、未来はわかりません。

 - 米国株銘柄分析