「インフレが株式に与える影響はどうなるだろう?」、「利上げが株式に与える影響はどうなるだろう?」といったことを考える時「PERが云々かんぬん・・」「インフレ率が云々かんぬん・・」とかあまり考えないです。もっとシンプルにナチュラルに考えます。ブログで記事に落とし込むときは、不特定多数の人が読んで納得感を持って理解して頂くために、なるべく客観的に数値例を使って説明しようと努力します。それは、人に伝えるためだからです。

自分の中で理解する時は小難しいシミュレーション計算はしないでもっとシンプルに考えます。たとえば、「FRBが金利を下げるだけで、あるいはお金を刷るだけで社会が豊かになるわけないだろ」「紙幣を印刷するだけで、国民が豊かになれれば苦労せんわ!」「無から有は生まれないよな、手品じゃあるまいし」って考えます。みな一生懸命働いて汗水たらして高水準な生活を維持しているのに、中央銀行がお金を刷るだけで豊かになれるわけないですよね。それを考えた後に、なぜ(why)そうなるかを考えます。なぜ(why)そうなるかを考える過程で初めてインフレ率とかそういう指標が登場します。

投資に限らず何を考える時も同じなんですが、子どもの頃からの持論なんですが、物事を考える時は最初に抽象度を最大化にしてあるべき姿を考えるようにしています。もうこれは癖というか習慣化しています。でその後に、なぜそうなるのか?という具体的事象に徐々に落とし込んでいくとスムーズに理解が進む傾向があります。末端から考え始めてもよくわからないまま迷路を彷徨い続けることになります。

マーケット・ファネルって上が広くて下が狭いものです。幅広く無料で見込み客を集客して、そこからドンドンと収益性の高い客だけに絞り込んでいきます。パスドラとかモンストとかのスマホゲームは、無料でも楽しく遊べる設計になっているから見込み客はたくさん集客できます。そこから強い興味関心を持ってくれる顧客だけを優遇して課金に誘導します。

思考のファネルは逆です。上が狭くて下が広いです。ピラミッド型です。思考のファネルを上(抽象)から下(具体)に徐々に落としていく感じです。下から上に這い上がるのって難しいんです。よく意識高い系のビジネス書とかで「Whyを考えろ」って言われるじゃないですか。これ僕は結構賛成で、常に「なぜそうなるんだろう?」って考えると理解が深まって楽しくなっていきます。でもね、whyを考える作業は上(抽象)から下(具体)へのドリルダウンには役立つけど、下(具体)から上(抽象)へのドリルアップには役立たない印象です。都内の高層ビルの最上階から東京の街を眺めると、今自分がどこにいるか方向音痴の僕でもわかります。「ああ今いる場所は新宿駅からちょい西側か~」って。でも、都内をテキトーにお散歩して歩き続けていると自分が都内のどの辺にいるのか分からなくなります。

考え事をする時は、苦しても最初にグーーーっと抽象度を上げて考えるようにしています。