理論株価はこの公式で表されます。
株価とは、将来配当の割引現在価値です。

こういうファイナンスについて、最低限の知識を身に着けることは株式投資実務でも有益だと思います。

ただただ、、実際に株の売買をするときにこの公式を頭に思い浮かべることはないと思います。
ないと思いますし、思い浮かべる必要もありませんがね。私はそう思います。

それでも、ファイナンス理論を学ぶ意義はあると断言できます。

なんでこういうファイナンスの数式を理解して覚えることに意義があるのでしょうか?

それは、ファイナンス理論が投資に関する情報のフィルターの役割を果たすからです。

グーグル神のおかげで(せいで)、世の中には情報が溢れかえっています。だから、その情報をフィルターに掛けて、本当に大事な情報だけを自分の手元に残す必要があります。

数式、数字って物事をマックスに抽象化してしまいます。

数字って味気ない感じするじゃないですか?
なんか無機質というか、感情がないというか、触ると冷たい感じ。

高校生の頃、数学が嫌いだった人は多いと思います。数学が嫌い苦手だから文系選ぶってあるあるだと思います。数学嫌いの一番の原因は数学と現実世界の結びつきがほとんどないからだと思います。数学って実はあらゆる現実世界とつながっているのですが、その繋がりが余りに遠いため実生活に役立つ実感は湧きません。それは普通の感情だと思います。学生で数学嫌いになるのは普通だと思います。

ちなみに、私は文系ですが数学は好きでした。数学が一番得意でした。
大学生の頃は、受験生の高校生にマンツーマンで数学を教えていました、バイトで。
変わってるでしょ??
なんか私はね~、何でも数字で一般化してしまう数学が美しくて好きだったんです。それが実生活に結び付かないとか気にならなかったです。なんか数字でガチっと答えが出せる世界が好きなのかも、その延長線上で会計士試験も突破できた感じがします。会計も言うまでもなく数字で答えが出る世界ですから。

ただその数字でガチっと答えが出せる世界と現実の社会は当然違うわけで、それで社会人最初の数年は苦労したのかなって今振り返ると思います。ホント仕事できないポンコツ野郎だったので、私。
ちょっと余談でした、失礼。

ファイナンスの株価の公式も、抽象化された数式です。だから、あんな数式見ても面白くないし眠くなるのは普通です。

抽象化されているものはつまらないのです。これは絶対的な法則です。
抽象=クソつまらん。

 

 

なんで、クソつまらん数式を覚えると便利なのか?

それは世の中の情報をきちんと咀嚼して脳内に取り込むためです。

ニュースとかの情報はかなり具体的な内容が多いです。
特にテレビやネットニュースは。

なぜでしょうか?

それは、こんな言い方したら大変失礼かもしませんが、世の中の人はみんな馬鹿だとニュース提供側が思っているからです。それは全国に流すテレビニュースとかはそうなるのは仕方ない面がありますが。最も情報弱者な層でもわかるニュースにしたがります。視聴率やクリック率が大事ですから。

世間のニュースは具体的過ぎます。そこから何を学び取ればいいか今一わかりません。

でも、ウォールストリートジャーナルなんかは違いますね。かなり抽象度の高い記事も混ざっています。読むの難しいけど勉強になるなって思います。あと日経も。

具体的なニュースって分かりやすくて親切心があるように思いますが、逆です。その一つ一つの具体的な事例を知ることは意義あることかもしれませんが、それは単なる知識で終了です。知識というか雑学、飲み会でこんな事件あったよね~ってネタになるレベルの深度です。

そういった世の中に溢れるニュースや記事から少しでも学びを得るには、自分の脳内に様々なジャンルのフィルターを持っておく必要があります。

フィルターとは、具体を抽象に昇華させるものです。

人は自分に知識がない情報は素通りするってよく言うじゃないですか。右から左に流れてしまう。あれは表現がちょっと微妙かなって思っていて、正確には自分がフィルターを持っていないジャンルの情報は素通りしてしまうと言うべきかなと思います。もちろん興味関心も大きく影響しますが。

フィルターがあればその具体的過ぎる情報から無駄なゴミをかすめ取って、重要な本質的なところだけを残して記憶できます。ニュースなどを読んで学ぶとはこういうことだと思います。

すでにフィルターを持っている人は、繰り返しニュースや本の情報を浴びる度に効率よく脳内に情報が蓄積されます。脳みそがパンクしないです。それはその人の脳ミソの容積が大きいからではなく、事前にフィルターで情報を綺麗にしているからです。

自分がフィルターを持っていない分野の情報をシャワーのように浴びても、あまり効果はないと思います(その努力は大事ですが)。それは、フィルターがないために膨大な情報量を捌ききれずに脳ミソがパンクするからです。

さっきからフィルター、フィルターと連呼しておりますが、このフィルターとは最も抽象度の高い法則とか原理原則みたいなものです。繰り返しになりますが、フィルターとは具体を抽象に昇華させるものです。

株式投資における、そのフィルターこそが冒頭の公式に代表されるファイナンス理論です。

最低限のファイナンス理論を身に着けると、株式投資というジャンルにおいて自分の脳内にフィルターが出来上がります。そのフィルターを通して読むニュースと、フィルターなしで読むニュースとでは脳ミソに残る情報の性質が全く異なります。

脳内フィルターがない状態で、やる気に満ちてたくさんの本やニュースとか読んでも時間の無駄な面があります。情報過多で脳みそが洪水状態になるからです。

苦しいかもしれないけど、最初に頑張ってフィルターを作るんです。フィルターは抽象的であり、抽象=クソつまらんから、フィルターを作るのは普通はつまらないんです。でも、一度フィルターを作ってしまうと、あらゆる個別の事案を自分の中で綺麗に整理できるので楽です。

最初に苦労すると、後が楽なんです。

 

 

なんか偉そうなこと言っておりますが、私の悩みは自分のフィルターが会計や財務に限定されていることです。そのフィルターも完璧ではありません。まだまだ勉強中です。

会計や財務以外は本当に弱いです。
特にハイテク関連はマジで弱小です。スマホを安く買い替えようと色々とネットの情報探っているんですが、全然理解できないっす。。

あなたは今まで学んできた専門分野で、知らず知らずのうちに複数のフィルターを持っているはずです。私とあなたで見えている世界は確実に違います。そのすでに持ってるフィルターに加えて、ファイナンスという分野のフィルターまで持てればかなり強いと思います。

ファイナンスとは縁遠いフィルターの方が、ファイナンスのフィルターと良い化学反応を起こしそうな気もします。

決して強制はしませんが、せっかく米国株投資に興味を持って出会った私たちですから、みんなでファイナンスのフィルターを持ちましょう!
と言いたかったです。

あ、お勧めの書籍はこれです。
ざっくり分かるファイナンス 経営センスを磨くための財務 (光文社新書)