理論株価は将来配当、利益(EPS)の割引現在価値の合計です。普段、株を買う時にこんな計算を意識することはないと思いますが、機関投資家などマーケットメーカーはこういった理論株価を弾いた上で取引をしています(知らないけど、そのはず)。

理論株価を計算するなんて普段やらないですよね。私もやらないです(笑)。PERとか配当利回りは見るけど、自分で理論株価を出すなんてやりません。利益成長率や割引率をどうするか迷うし、自分の仮定が正しい自信もないし。

ですが、たまには計算してみようと思います。個人投資家に人気の鉄板優良株ジョンソン&ジョンソン(JNJ)の理論株価をDCF法で算出してみます。

算定の条件
2019年予想EPS:8.6ドル
2020年~2027年の利益成長率:7%
2028年以降の永久成長率:4%
割引率:8%


これらの仮定が妥当かどうか色んな意見があるかと思いますが、無理ない範囲の条件だとは思います。とにもかくにも、先ずは計算してみます。

(単位:ドル)

  予想EPS 割引現在価値
2019年 8.6 8.0
2020年 9.2 7.9
2021年 9.8 7.8
2022年 10.5 7.7
2023年 11.3 7.7
2024年 12.1 7.6
2025年 12.9 7.5
2026年 13.8 7.5
2027年 14.8 7.4
永続価値 384.2 178.0

右列の割引現在価値を合計すると247ドルになります。かなり簡便計算で恐縮ですが、これがざっくり出したJNJの理論株価です。

一方で、現在のJNJの実際の株価は134ドルです。

理論株価(Hiro試算):247ドル
実際の株価:134ドル

JNJ株には247ドルの価値がある・・
え、ホントに?
今のJNJは超割安なの??

いやいや、マーケットは合理的です。マーケットよりHiroがざっくり計算した理論株価が正しい根拠なんてありません。EPS成長率、割引率をちょっと変えるだけで理論株価は全然違う結果になります。たとえば、割引率を2ポイント上げて10%にすれば、理論株価は162ドルまで下がります。

ただ、私はそんなメチャクチャ楽観的な見立てをしたつもりはありません。米国債(10年)の利回りが2.7%しかないのに、割引率を8%と見るのはまあまあ保守的だと思います。リスクプレミアム5%超です。永久成長率は4%と米インフレ率+2%程度です。

なんかね~、JNJのような優良株って割安に放置されている気がするんですよ。

なんで理論株価よりも実際の株価の方が低いのかと言えば、それは株価には永続価値がまともに反映されていないからだと思うんです。JNJが20年後、30年後に稼ぐキャッシュフローは、その一部しか株価には織り込まれていない。そう感じます。根拠はありませんが。

マーケットもいつか嫌でも永続価値を認める時が訪れます。それは20年後、30年後のキャッシュフローが「永続価値」から「予想キャッシュフロー」になり、そして最終的に「実現キャッシュフロー」になる時です。優良株を長期で持てば儲かる理由はここにある気がします。

廃れないビジネスを持っていて永続価値がある銘柄を長期で保有したいです。長期投資で勝つには、永続価値の見極めが大切なのかなって思います。JNJには永続価値があると思います。