「アド街ック天国」で湘南の鵠沼海岸特集がやってたんですが、その中にすごくキラキラ輝いているなあって人がいました。人生楽しそうだなって。

サーフィンが大好きで、鵠沼に移住してパン屋さんを経営している方でした。毎朝パンを発酵させている間に1時間サーフィンをするんだって。自分でパン屋をやるって正直そんなに儲からないと思うけど、そんなことは関係ないことですね。大好きなサーフィンを毎日できれば人生楽しいわけですから。

株式投資をしているような人って(自分も含め)、もちろん色んな属性の人がいるとは思いますけど、普通のサラリーマンが多いと思います。

自分で事業立ち上げてビジネスやっている人で株式投資をやっている人は少数派だと思います。リスクを伴う事業にお金と時間を投じているわけですから、株式投資に振り向けるリソースは普通はないはず。それは合理的です。人的資本でリスクを取るから、金融資本ではリスクを取らないということ。

社会に出てサラリーマンとして働き始めると、忙しくて心に余裕がなくなるからってのもあるかもしれませんが、世の中に対して冷めた視線を向けてしまう時があると思います。

子供の頃のように無我夢中で没頭できる遊びというか趣味というか、好きなことを持っている人ってキラキラ輝いて表情が明るくていいなあと思います。

なんか社会人になると、世の中に対して変に斜に構えてしまうことないですか?
私は実際そうでした。社会人どころか高校生くらいからちょっとそういうところがありました。今でもその感覚は抜けきれません。

世の中にあるエンターテインメントなんて、所詮ビジネスだろ?金儲けのためにやってるだけだろ?
俺はそんなのに騙されないぞ、興味ないぞって。

株式投資の為に種銭を貯めようと節約に躍起になっていると、余計この懐疑心に拍車が掛かる気がします。

居酒屋の飲み物なんて粗利率70%でぼったくりだろ、ディズニーランドなんて疲れるだけで時間の無駄だろ、テレビゲームなんてお金と時間の無駄だろ、一日中ゴルフをやるって金と時間の無駄でしょ日焼けするし(←女子か!)、とか。誰がディズニーランドであんな1500円もするバカ高い朝ごはんを食べるかよって。あんなのぼったくりだろって。

こういうこと考えがちかもしれません。

特に金融業界って怪しい商品とかって今でも多いですよね。絶対損すること間違いなしの高コストファンドとか。株式投資の勉強をしていくと、そういう金融業界の怪しい詐欺まがいの商品をいかに避けて通るかが大事ということをまず学びます。信託報酬が低いインデックスファンドやETFに投資しましょう。世の中にある99%の金融商品は詐欺ですから、勉強して自分の財布はしっかり自分で守りましょう、みたいな感じがありますよね。

それは金融業界に限って言えば間違いではない点が辛いところ。金融って素人にはわかりづらく、売り手と買い手に情報格差がある世界なので、どうしても情弱から金を取れるなら取ってしまえという資本主義社会の悪の面が顔を出しやすい傾向にあります。

金融の世界はそういう面があるのは仕方ないと思います。保険とか金融とか一般的に平均年収が高いと言われる業界って、消費者にとってはビジネスの内容が分かりづらいところがあります。そしてその消費者にとっての分かりづらさが、高給な業界が高給たる所以でもあります。

正しい資産運用の勉強をしていくと、どうしてもそういう社会の裏側に目が行ってしまいます。ただでさえ、社会人になって働き始めると社会の汚いところに嫌でも目に行くのに、その上金融の勉強までしてしまうと「ああ、結局社会はこういうきな臭いもんだな」って思ってしまう気持ちも分からないではないです。

社会に対して、妙に警戒してしまう。
財布のひもが固くなる。

資本主義社会では人々からお金を抜き取る罠がたくさん仕掛けてあるから、なるべくそれらを避けてしっかりお金を貯めて株式投資しましょう、みたいなことはよく言われます。資本主義社会は怖い世界ですっ脅す感じかな。

確かに資本主義社会は社会にお金を回し続けないと破綻する仕組みだし、企業は株主の期待に応えるために稼ぎ続けなくてはいけません。世の中綺麗ごとだけで成立していないのは事実です。弱者からお金を吸い取る輩が大勢いるのはその通りだし、名の通った大企業であっても大なり小なりそういう面はあります。

でも、そういう資本主義社会の汚い面ばかりに目が行って、ブルブル震えているばかりでは人生は面白くないだろうなって思います。

庶民は何らか消費者としての楽しみを見つけた方が、普通に人生を楽しめると思うんですよね。

凄いなって思うのは、事業そのものを人生の快楽にしてしまえる人です。
ソフトバンクの孫正義さんとか、ビジネスそのものを娯楽として楽しんでいるように見えます。決算発表の時の、孫さんの童心に帰ったような楽しそうな表情はテレビで拝見していて気持ちがいいです。最近は不振のスプリントをどう切り離すべきか苦心しているようですが、その交渉ですら人生の一部として楽しんでそうです。

サラリーマンでも自分の仕事そのものが楽しくて仕方ないと言える人もいるかもしれませんが、かなり少数派だと思います。やはり、生きるため、生活の為に否応なくとりあえず働いているという人が圧倒的マジョリティだと思います。

サラリーマンが仕事そのものを人生の楽しみにするって困難だと思います。

だから、社会に対する余計な懐疑心は捨てて、消費者としての楽しみを積極的に見つけることが大事なのかなって思います。

どの企業も稼ぐために必死ですし、長期間稼ぎ続けるためには本当に価値あるサービスを提供し続ける必要があります。現代の消費者は賢いですから、くだらないサービスや商品は最初の1回目は売れても、後が続きません。ディズニーランドがとても楽しいワンダーランドだってことは、ディズニーランドという世界がもう何十年も生き続けていることから証明されています。

消費者として楽しむって必ずしもお金が必要ってわけじゃないですけどね。まあでも、基本的に楽しい経験や体験をしたいと思えばお金が必要になることが多いと思います。旅行でも食事でもなんでも。ゲームでも。

ゲームで思い出したんですが、個人的な昔話で恐縮ですが、中学生になった頃「もう小学生じゃないし、俺は部活と勉強するからゲームなんかやんねえよ」と変にカッコつけて友達に話していたのを今でも覚えています。ゲームやるなんてダサい、女の子にモテない。勉強とサッカーやってるのがカッコいいんだって思ってましたね。

本当は小学生の頃みたいに、みんなでワイワイマリオカートとかやりたかった。ドラクエやFFに一人で没頭したかった。でも俺はもう中学生になって大人の階段を一段登ったんだからダサいゲームなんてやらねえ、って変に強がってましたね。

ドラクエ11で有給申請という噓かホントかわからないニュースが流れてましたが、普通にいいなあ~って思います。RPGゲームってはまったら抜け出せなくなりますよね。あの「ああ、早く学校から帰ってゲームしたい!!」というワクワク感を大人になっても味わえるって羨ましいなと思います。

見栄やステータス、承認欲求を否定する必要はないと思うんですよね。人間ってそういう社会的な生き物だし、周りからどう思わているかを気にすることは普通だと思います。都会でイケてる職業に就いて高給を貰って、丸の内OLにモテたいと思う感情はとても自然なことだと思います。資本主義社会なんて人々の欲求、欲望の塊でしょ。

そういう自己承認欲求が自分にもあるということを素直に認めたうえで、一度の人生を周りの価値観に流されず自分なりにどう楽しんでいこうかって折り合いをつけることが必要なんかな。都会でばりばりサラリーマンしている人が、いつでもサーフィンに出れる海の見える街に移住するってそれなりに勇気にいることだと思います。

その行動力の源泉が、冷静で分析的な損得計算なのか、それともただの勢いなのか。
前者はダメなんだろうな・・。
私、どちらかと言うと前者なんですよね。えいや!で行動できないタイプです。

投資するにも100冊以上の投資本を読んで納得して、ようやく1万円のインデックスファンドに投資したような男です。ビビりなんですよね。

たまにいますよね、後先考えずに借金してまでキャバクラとかの夜の街で散財する人。ああいう人を昔はかなり馬鹿にしてたけど、その社会を恐れない胆力(鈍感力?)は自分にもちょっと分けて欲しいなと最近よく思います。

投資で財産形成するには、社会を健全に疑うことが必要とされます。やっぱり金融業界って疑ってかからないと、すぐにぼったくられますからね。

でもね~、投資で財産形成して金持ちになること自体が目的ではないはず。経済的に豊かになれば、人生を楽しく過ごすことができるとわかっているから、あなたもシコシコと株式投資を頑張っているのですよね。そのはずです。

人生を楽しむには、金融・投資の勉強で培った「社会や人を疑う心」を一回きれいに洗い流した方がいいかもしれません。

(長期)株式投資って未来を信じてお金を投じる行為ですよね。
だから、株式投資ができる人って社会を信じる心を持てる人だと思います。その信じる心こそが、社会で楽しく生きるのに必要な心情なのかなって思います。

信じすぎるとたまに騙されることもあるかもしれませんが、それも人生の一部だし勉強になったわと思えるくらいの楽観さが必要かも。