FY22(2022年9月期)決算データ反映、コメント刷新

S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。

今回はウォルト・ディズニー(DIS)をご紹介します。

基本情報

会社名ウォルト・ディズニー
ティッカーDIS
創業1923年
上場1957年
決算9月
本社所在地カリフォルニア州
従業員数190,000
セクター一般消費財・サービス
S&P格付A
監査法人PwC
ダウ30
S&P100
S&P500
ナスダック100×
ラッセル1000

地域別情報

地域別売上構成比

一旦割愛で。

地域別売上高推移

一旦割愛で。

セグメント情報

セグメント別売上構成比

セグメント別売上高推移

セグメント利益推移

セグメント利益率推移

Liner Networks:ABCテレビ、ディズニー、EPSN、フリーフォームなどの国内テレビネットワーク

Direct-to-Consumer:Disney+、ESPN+などのストリーミングサービス

Content Sales/Licensing:サードパーティーへのコンテンツ販売提供、劇場配給、音楽配信など

Disney Parks, Experience and Products:テーマパーク、リゾート、クルーズなど

業績

キャッシュフロー

バランスシート

資産

負債純資産

株主還元

※純損失だったFY20の配当性向、総還元性向は100%としている

連続増配年数

過去10年の配当成長

割愛

過去の株主リターン(年率、配当込み)

過去10年(2012~2021):+16.5%
過去20年(2002~2021):+11.9%
過去30年(1992~2021):+10.8%

バリュエーション指標(2022/11/10時点)

予想PER:18.6倍 最新情報はこちら

配当利回り:N/A 最新情報はこちら

コメント

ウォルト・ディズニーと言えばディズニーランド、シーといったテーマパークを運営する企業という印象があるかもしれませんが、テーマパーク事業の収入は全体の4割弱です。ケーブルネットワーク、テレビ、映画などのメディア事業で稼ぐ収入の方が多いです。

主なケーブルネットワークのブラントとしてはスポーツ番組のESPN、ミッキーマウスでお馴染みのディズニー、ライブアクション番組などを放送するフリーフォームなどがあります。

ネットフリックスの台頭もあって、ディズニーはメディア事業で大きな戦略転換を実施。独自の動画配信サービスであるDisney+を立ち上げました。2022年9月時点で有料会員数は約1.6億人にのぼっています。

もう一つディズニーの事業構造に大きなインパクトを与える出来事がありました。21世紀フォックスの事業資産の取得です。買収額は713億ドル。フォックスのテレビ制作会社、CATVを傘下に収めました。また、フォックスの映画タイトル「トイ・ストーリー」、「スターウォーズ」、「アベンジャーズ」もディズニーのものです。動画ストリーミングのHuluも手に入れました。

スポーツ中継のライブストリームのESPN+も以前から運営しています。

つまり、ディズニーは
Disney+
Hulu
ESPN+
という3つの動画配信サービスを同時に運営することになります。

財務データを確認しましょう。

FY22(2022年9月期)の売上高は827億ドルで前年比+23%。テーマパーク部門が+74%と大きく回復しました。ディズニー+を含むDtoC部門は+20%でした。

FY22の営業利益は67.7億ドルで売上利益率は8%、税引き後利益は31.5億ドルで同4%。コロナ前は20%を超える営業利益率だったことを考えると、まだまだ苦境にあることが数字からわかります。

特に動画配信部門の赤字が響いています。同部門は22年度に40億ドルの赤字となっており、これはテーマパーク部門が稼ぎ出す利益のおよそ半分に相当します。

FY19に総資産が985億ドルから1,940億ドルに増加しています。21世紀フォックスの買収に伴ってのれんと無形資産が増えました。

事業建て直しのため配当は2020年より一時停止となっており、FY22も株主還元はゼロでした。業績を見ると無還元もやむなしでしょうか。2010年代前半のように毎年ガンガン自社株を買い戻す姿が見れる日は戻ってくるでしょうか。