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ドイツ銀行破綻懸念がもたらす金融セクターへの投資妙味

      2016/10/02

欧州最大の金融機関であるドイツ銀行が揺れています。

ドイツ銀行の株価は年初来で50%以上も下落しています。

ドイツ銀行株がここまで売られている要因は大きく言って3つあると思っています。

①米国政府からの巨額賠償請求

アメリカ司法省はドイツ銀行に対して140億ドルという巨額の和解金を支払うように提案しています。

これは2005年~2007年に住宅ローン担保証券(MBS)の強引な販売を行ったことによる罰金です。

140億ドルとは日本円にして1兆4千億円という途方もない金額です。

ドイツ銀行はこの訴訟に対して引当金を60億ドルしか積んでいません。仮に実際の和解妥結額が60億ドル以上になればドイツ銀行の資本はさらに痛みます。引当金処理にかかわらず和解金相当額がドイツ銀行から流出することになります。

 

②低収益

元も子もない話ですが、ドイツ銀行は低収益に苦しんでいます。

2015年度、ドイツ銀行の純利息収益は€15,881百万でしたが最終損益は€6,097百万の赤字でした。

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これはドイツ銀行のEPS推移です。2012年度から急激に減少し、2015年度はマイナスになっています。

一株当たり配当は€0.75を5年間維持しています。

ドイツ銀行のROEが10%を上回ったのは過去15年で1度だけです。

欧州中央銀行(ECB)はマイナス金利政策をとっており、このような低金利環境がドイツ銀行の収益をさらに苦しくしています。

③政府の救済がない可能性

ドイツのメルケル首相はドイツ銀行を救済するつもりはないと言っています。

ドイツ銀行の収益性悪化の経済的責任をとるのはドイツ銀行の株主であるというのは資本主義社会として当然のことであり、メルケル首相の発言は当然と言えば当然です。

しかし、欧州最大の金融機関が万が一デフォルトを引き起こせば、世界の金融機関に伝播する可能性は否定できません。リーマンショックの再来になる可能性はかなり低いですが、否定もできません。

投資家はなんだかんだ言って政府が税金で救済してくれるだろうと心の中で思いつつも、不安は消えません。

将来への不確実性を市場は最も嫌います。


  ドイツ銀行破綻の可能性は低い

ドイツ銀行株はヘッジファンドの空売りによって売られ過ぎている可能性もあります。

アメリカ司法省はドイツ銀行に140億ドルの和解金支払いを求めていますが、実際の支払額はドイツ銀行が引当している60億ドル程度になる可能性が高いです。そうでないと、監査法人も引当金額にOKと言わないはずです。

ドイツ銀行の収益性を改善する必要があるという課題は依然として残り続けるものの、目前のドイツ銀行のバランスシートに大きな懸念はありません。2015年12月末時点でドイツ銀行のTier1資本比率は14.7%あります。

また、メルケル首相がドイツ銀行救済はないと明言していますが、実際に流動性危機に陥ればドイツ政府は公的資金を注入するはずです。リーマンブラザーズとは違い、ドイツ銀行には担保にできる資産はあるし流動性資産もしっかりあります。

株主負担にすべきという資本主義の原則と、流動性危機を世界に広げないという社会利益を天秤にかければ、後者を取らざるを得ないでしょう。

参考サイト(Market Hack)
ドイツ銀行は潰れるのか?

なお、9月30日の取引でドイツ銀行株価は+6.4%と大幅反発しています。

これはドイツ銀行株を空売りしていたヘッジファンドの買い戻しが多額に入ったためです。

  金融セクターへの投資妙味

金融取引はカウンターパーティリスクとしてどこに飛び火するのはわかりにくいし、世界の金融ネットワークは密接に絡み合っているので、欧州金融機関の業績懸念は米国株価にも大きく影響しています。

米国の金融セクター株は低金利を受けて2016年のリターンは悪いもののFRBの利上げが近づいてきて少し反発する場面もありましたが、このドイツ銀行懸念で再び株は売られています。

しかし、ドイツ銀行破たんの可能性は低いし仮に万が一のことがあっても政府が救済する可能性が高いです。

リーマンショック再来の可能性はほぼないと言えます。

金融セクターでの長期投資銘柄の筆頭であり、バフェット銘柄でもあるウェルズ・ファーゴ株も下落しています。ウェルズ・ファーゴには低金利、ドイツ銀行問題だけでなく、従業員による不正取引という問題もあり、3つの逆風に晒されています。

9月30日はドイツ銀行を初め金融株は大きく上昇し、XLF(SPDR金融セレクト・セクター)は+1.37%と全セクターの中で最大の上昇でした。しかし、ウェルズ・ファーゴ株は▲0.2%と下落しました。

ウェルズ・ファーゴはこの回復場面にも乗れていない状態です。

金融セクターへの投資判断は難しいと思いますが、バフェット銘柄であり伝統的金融業務を中心に据えている大銀行のウェルズ・ファーゴは金融セクターで最も有望な長期投資対象であり、その優位性は消えていないと思います。

将来は読めませんが、今はウェルズ・ファーゴへの投資妙味は大きいのかもしれません。

ゴールドマンサックスアナリストはウェルズ・ファーゴの従業員不正問題発生後に、目標株価は44ドルだと言っていました。

9月30日時点のウェルズ・ファーゴ株価は44.28ドルです。

「頭と尻尾はくれてやれ」
大底なんてどうせ無理ですよ。悩んでいるうちに株価はグングン上がっていくかもしれませんよ。

 - 投資実務