ニュースゼロなどに出演され、最近露出が多い落合陽一さんの講演会に先日行ってきました。いや~ぐいぐい引き込まれました。圧倒されました。

落合さんのメッセージはシンプル。これから日本は少子高齢化で多数の高齢者を、少数の若者が支えなくてはならない。米国のように移民に頼ることは困難。ならばテクノロジーで解決するしないだろってこと。

未来の日本の課題を解決するのは俺たちだって。意思決定をするのはお上の方々。でも手を動かしてテクノロジーを開発するのは自分達の役割なんだって熱く語っていた姿が印象的でした。

ちなみに、私は落合さんと同い年。1987年生まれ。こんなにも社会の課題解決に向けて真剣に取り組んでいる方が同世代にいて嬉しいです。とても落合さんの真似はできませんが、僕も自分ができる範囲で頑張らねばとやる気が出ました。

落合さんの話はすごく面白い。あっという間の1時間でした。ちょくちょくテクニカルタームが混ざって難しい話にもかかわらず、楽しく聞けて勉強になりました。

落合さんの話って具体と抽象のバランスがほどよいです。いい按配。

抽象的な議論でガーっとまくし立てて、聴衆はややポカンとする。でもそこですかさず「たとえば・・」と具体的な話でフォローしてくれる。そのバランスがすっごい上手で慣れてるな~って思いました。

「日本は限界費用と限界効用のバランスが崩れている分野がたくさんある。そこにテクノロジーでメスを入れて解決していく。その小さな成功を積み重ねていくことが重要。物事は急には変わらないんだ。」
(落合陽一)

限界費用と限界効用のバランスが崩れている分野??(Hiro脳内)

こうなります。なんのこと言ってるんかようわからん。でも何となく大事なこと言ってるのはわかる。

そこで、落合さんは「たとえば・・」と言ってくれました。良かった、ホッとしました。多分、この辺で理解できない聴衆が出てくるんじゃないかって予想してるんだろうな。

ちなみに、限界費用と限界効用のバランスが崩れているというのは、平たく言えばコスパが悪い、非効率という意味です。看護婦さん一人が20人のお年寄りを車いすで食堂に連れていくために、部屋と食堂を20往復もしている。それは非効率じゃん。なんとかテクノロジーで解決しよう。ってな感じです。

あと落合さん、めっちゃ早口です。多分、私より早口(私もかなりの早口で、子どもの頃よく母親に注意されてました)。

でも落合さんが早口なのは、多分伝えたい想いが溢れているからなんです。メディアに多数出演して、本もたくさん出版していますが、それは決して自己アピールではない。自尊心を満たしてるんじゃない。知って欲しいからです。特に高齢者の方に知って欲しいそうです。テクノロジーで介護や医療の世界を変えようとしていることを。テクノロジーを避けないで欲しいと。

だから書籍を出しているそうです。Twitter(フォロワー20万人以上)でつぶやいても、自分のメッセージが若者にしか届かないことが歯がゆいそうです。医療に接する機会が増える高齢の方に、もっと自分の想いを伝えたいと。だから本を書いてるそうです。本なら年上の人の目にも止まるからと。

落合さんのスピーチが上手くて聞きやすいのは、具体と抽象のバランスが良いからだと思いました。でも、多分本人はそんなの意識してない。スピーチの訓練を受けているわけでもないと思います。1日19時間働いているそうなので、そんな時間捻出できないと思います(笑)。

じゃあ、なんであんなに上手く自分の想いを伝えることができるのか?

それは情熱、熱意だと感じました。

結局、最後はこれがすべてなんだと思いました。落合さんからメラメラとした想いが伝わってきました。テクノロジーで日本の社会保障の未来を俺が変えるんだ!!という熱い想いが、鈍感な私にもビンビンと伝わってきました。

とにかく自分の考えていることを伝えたい伝えたい。その一心で一生懸命話しているから、結果として具体論と抽象論のバランスが良く、聞き手は引き込まれる。「この1時間で何とか聴衆に伝えたい!」という熱意。

落合さん以外の方も同じ演題で講演されてたんですが、なんかつまんない。
抽象的な話ばかり。

抽象的な話ばかりする人には3つのパターンあると思います。
①しっかり理解しているけど、聞き手の立場を考えれてない。
②自分の専門知識をひけらかしたい。
③自分の理解が曖昧だから、ふわっとした抽象論で逃げたい。

今回は③な気がしました。なんか今一まだテクノロジーと医療介護に関する知識が浅いから、ふわっとした抽象的な言葉を並べて、それとなく話すだけって感じ。

 

仕事でもブログでも、どれくらい抽象論に踏み込むか、どれくらい具体的に話すかは結構悩みます。

でも、一番大事なのは熱意、情熱なんだなって落合さん講演を聞いて思いました。多少ロジックが崩壊してても、「絶対に伝えたい!」という熱意を持って書いた文章、言った言葉はきっと相手に伝わると思います。一回で伝わらないなら、何度も何度も言えばいい。