長期投資でリターンを得るには、株価ではなくビジネスを見なくてはなりません。それはETFにしろ個別銘柄にしろ共通です。

「ビジネスを見る」とはやや抽象的な表現ですね。より具体的に言えば、「毎四半期の決算つまり利益と、毎四半期の配当を見る」ということになります。

さらに具体的な指標レベルに落とし込むと、以下の指標をきちんとウォッチないしイメージしましょう、ということになります。
・株式益回り
・配当利回り
・EPS成長率
・DPS成長率

株式益回りとはPERの逆数で、EPSを株価で割ったものです。

配当利回りとはDPSを株価で割ったものです。
一株@100円でDPSが@3円なら配当利回りは3%です。

EPSとは一株当たり利益のことです。EPS成長率とは、EPS(一株当たり利益)がどのくらいの割合で増えてきたか示しています。

DPSとは一株当たりの配当のことです。DPS成長率とは、DPS(一株当たり配当)がどのくらいの割合で増えてきたか示しています。

「企業のビジネスを見る」を実務レベルに落とし込むには、先ずは上記の4つの数字を見ること考えることが基本かな~と、私は思っていて実践しています。企業の経営者にインタビューするとかが実はもっとも重要なことかもしれませんが、私たち個人投資家レベルでできることではありません。私たちが先ずできるのは、ネットを使って企業の財務データや配当実績を見ることです。

米国企業であっても、ネットを使って当たり前のように財務データを拾えますが、これは何気に凄いことですよ。一昔前は、証券会社の担当者に電話で質問して数日待ってデータを貰うとか普通だったようですから。素晴らしい環境で株式投資をやれているわけです。

長期投資という意味では、機関投資家と個人投資家の情報格差はほぼないと思います。むしろ、どっしり構えて長期的視野で成果を考えることができる個人投資家の方が、優位な環境にいるくらいです。

あ、すみません、ちょっと少し話が逸れました。

上記4つの指標を見るのですが、きちんと違いを理解しておきたいところです。要はキャッシュ(配当)で考えるのか、それとも利益で考えるのかの違いです。自分がどっちを軸に判断しているのか自覚しておけるとGoodです。別にどっちが良い悪いとかではなく。

将来
キャッシュ 配当利回り DPS成長率
利益 株式益回り EPS成長率


整理するとこうなります。

長期的に見れば利益とキャッシュ(配当)は一致するので、どちらを軸に考えてもOKだと思います。使い分けというか、今自分がどちらを軸に考えているのかきちんと認識しておくということですね。

今の配当ないし利益がどれくらいあるのかを見るには、配当利回りor株式益回りを見ます。

将来の配当ないし利益がどれくらい増えていくのか見る(想像する)には、DPS成長率とEPS成長率を見ます(想像します)。

今と将来を組み合わせて、長期的な投資額当たりの配当ないし利益が最大化できるようにポートフォリオを組み立てていくことになります。

将来のEPS成長率ないしDPS成長率がどうなるかなんてバフェットですらわかりません。そこが株式投資のリスクです。そのリスクを負うことが株主であるあなたには求められます。投資銘柄を分散させたり、インデックス投資を活用したりして、リスクを分散できると安心です。