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配当金は超重要 企業の利益は本当に株主の利益なのか

      2016/12/06

株式投資の利益には2種類あります。キャピタルゲインとインカムゲインです。

前者は株価上昇による利益で後者は配当金です。投資利益の計算をするにあたって両者を区分する必要はありませんが、大きく異なる点があります。

それは税金です。キャピタルゲインは株を売却して利益を実現させない限り課税されません。一方、配当金は受領した時点で約20%(国内株式の場合)の税金が課されます。なので、税金まで考慮すると配当金は株主として不利な利益配分の方法と言えます。

キャピタルゲインであっても結局いつかは税金を取られるんでしょ、という考えは時間価値を無視した誤った考えです。税金支払いを将来の売却時まで繰り延べることができる効果は非常に大きいです。特に30年単位の投資期間を想定している長期投資家にとって、今税金を払うのか、それとも30年後に税金を払うのかは大違いです。キャピタルゲインであれば税引き前の利益で実質的に再投資できていることになるので、これも複利の時間効果を考えると大きなメリットです。

このような考えを持っていたため、私は配当金がとても嫌いでした。配当金というお金をもらっても喜ばないという稀有な投資家だったのです(笑)

なぜ、世界の優良企業はそんなに配当するのかと思っていました。配当を貰った我々は税金を払わねばならないではないかと。高配当銘柄ETFなんて絶対に買わないと決めていました。

配当するくらいなら売上拡大・利益率向上のために積極的に事業投資をして企業価値を高め、株価を上昇させて欲しいと思っていました。そしたら、税金を売却まで繰り延べることができるのになあと。

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 それでも配当金が大切な理由

シーゲル先生の教え

そんなかつての自分の浅はかな考えを一気に吹き飛ばした書籍があります。

このブログ内でも度々登場しているジェレミー・シーゲル先生の『株式投資の未来』です。

第9章「Show me the money(金をみせろ)」です。

ここには、当時の私にとって衝撃的、でも確かによく考えたらそうだな、ということが書かれていました。要点をまとめます。

・企業には必ずしも資本コストを上回る投資機会があるわけではない
・経営陣は必ずしも常に株主の利益最大化のために行動するとは限らない
・決算上の利益は帳簿上の利益に過ぎないが、配当は企業に確かにお金があることの証、儲けの証である
・配当金は株主への信頼の証

 

優良な投資機会は常にあるわけではない

私は上で、「配当するくらいなら売上拡大・利益率向上のために積極的に事業投資をして企業価値を高め、株価を上昇させて欲しい」と言いました。
これが大きな誤りだったのです。

優良成熟企業は盤石な「金のなる木」を持っているため、毎月大量の営業キャッシュインフローがあります。しかし成熟しているが故に、大きな投資機会は少ないかもしれません。一方で、成長企業はたくさんの投資案件があるかもしれませんが、それらがすべて資本コストを上回る収益率を確保できる良質な投資案件とは限らないでしょう。営業キャッシュはあるが新規投資先がないということはお金が余ります。

 

内部留保は株主利益に反する危険がある

投資機会がなくて余ったお金は一旦は企業の内部留保として保有しておいて、良い投資案件が見つかったら投資して事業を成長させればいいと思われるかもしれません。

しかし、これも危うい考えという事がわかりました。なぜなら、経営陣は真に株主利益の最大化のために働いてくれるとは限らないからです。業績が良くて金が余っていれば、特別手当として賞与を過大に支払ったり、豪華な本社ビルや社長部屋を作るかもしれませんし、社用車をジャガーにするかもしれません。これらはすべて株主利益に反する行動です。

このような経営者と株主の利益相反問題(俗に言うエージェンシー問題)がある以上、余ったお金を素直に株主に返還する配当金は、株主にとって経営陣の無駄遣いを抑制させて都度都度利益を確定させるという効果があるのです。その代償としての前倒し課税は諦めて負担しましょうということです。

 

バフェットは例外

うーん、なるほどなぁと唸らされました、さすがシーゲル先生です。

ちなみに、ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイは、1967年の一度以外無配らしいです。これは、バフェットが常に株主と同列に身を置くことで(自身がバークシャー・ハサウェイの株主)、配当金なしでも株主価値の最大化が実現できるからとのことです。つまり、所有と経営が分離していないので、経営者と株主のエージェンシー問題が発生しないという事です。

 企業の利益=株主の利益ではない?

考えさせられたことがあります。企業の利益は果たして本当に株主の利益なのでしょうか。

確かに企業の所有者は株主であり、企業のバランスシートに載っているすべての資産・負債は最終的にはすべて株主に帰属します。会計的に言うと、企業が稼いだ利益はバランスシートの右下純資産の部に「利益剰余金」として溜まっていきます。それらは株主のものなのですが、まだ100%株主のものとは言えないのではないかと思いました。

株主の利益になるのは、あくまで配当金を受領した時か、株を売却して売却益を得たときです。

企業が頑張って儲けを出して、純資産が増えれば(企業のお金が増えれば)その分株価は理論的には上昇します。しかし、その増えたお金を企業が浪費してしまったら、あるいは事業投資したけど結局失敗して損失を出してしまったら、企業からその分のお金が流出して株価は下がるわけです。

ということは、企業がたくさん利益を出してもその時点では株主の利益は100%保証されてはいないということです。配当金を貰えれば少なくともその分については、株主は利益を確定させることができます。それを再投資に使うのか消費するのかは株主の自由です。

 高配当銘柄を購入

この本を読んだ後、以下の米国ETFを買いました。

・バンガード・米国増配株式ETF(VIG)
・バンガード・米国高配当株式ETF(VYM)

これらのETFが通常のS&P500連動型のETFよりも高いリターンを生むのか絶対的な自信はありません。配当金が大切なことがよく理解できたので、たくさんの配当金を払っている企業に投資する商品が欲しくなって購入しました。

税金的に不利ではあっても、株式投資において配当金は非常に大切なのです。

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