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【バフェットがIBM売却!】あなたとバフェットは違うんだからさ・・

   

ウォーレン・バフェット氏が(バークシャー・ハサウェイが)保有するIBM株の3分の1を売却しました。
バフェットは2011年に130ドル台でIBM株を仕入れ、最近高値の180ドル台で売り抜けたようです。

この報道を受けてIBM株は前日比▲3%ほどまで売られました。
直前の決算発表でアナリスト予想を下回る売上高を嫌気して下げていた株価は一段と下げることとなりました。

IBMの2017年初来の株価推移。

バフェットのIBM株売却を受けて、バフェット信奉者の中にはIBM株を売却した人も多くいるようです。

バフェットの投資を真似る投資法はそんなに馬鹿にはできないと思います。
売買タイミングの差はどうしても生じてしまいますが、株は誰が買っても平等ですからね。

バフェットコピー投資戦略を取っている人がバフェットと同じくIBM株を売るのは、それはそれで合理的だとも言えます。

ただ、特にバフェット信者ではなくバフェットの投資動向は参考程度にしている多くの米国株投資家はIBM株を売却する必要はないと思います。
そのままIBM株のホールドで何ら問題ないと思います。

 

 

 

バフェットにはたくさん投資の名言がありますよね。
バフェット名言集なる書籍もたくさんあるほど。

そんなバフェット名言の中で印象に残っている言葉の一つが、
将来の予想キャッシュフローの割引率に米国の長期国債利回りを使う
というのがあります。

これ初めて読んだとき「うわああ、すげえな、まじバフェットって投資の神やな~」って思ったのをはっきり覚えています。

これ凄いですよね~。
バフェットしかこんなこと言えないと思います。

 

 

株式の本源的価値は企業が生み出す将来キャッシュフローの割引現在価値です。
将来のキャッシュフローはすべて配当として吐き出されると考えると、将来の総配当を現在価値に割り引いた金額が株式の理論価値となります。

将来の配当は一定の利率で割り引きます。
1年後の100万円は現在の100万円ではありません。
95万円か、90万円か、80万円かはたまた50万円でしかないか。

絶対的な正解はありません。
人々のリスク認識によって割引率は変わります、よって現在価値も人によって変わります。

将来のリスク認識が高いと割引率は高くなり現在価値は低くなります。
将来のリスク認識ってお堅い抽象的な言葉ですが、要するに将来にどれだけ不安感を持っているかということです。
将来のキャッシュ(配当)をどれほどの信頼感を持って測定できるのかということです。

普通、株式にはある程度のリスクが織り込まれます。
理論株価を算定する時の割引率にはそのリスクプレミアムが織り込まれるのが普通です。

国債利回りが2%なら、株式利回りは7%みたいに。
この場合株式リスクプレミアムは5%となります。

株式は国債より危険(将来が不確実)だから国債+5%くらいのリターンがないと誰も投資しないってことです。

それが普通ですよね。
景気循環や突発的な事故、会計不正、競合の脅威などで企業のビジネスがいつ衰退するか知れたものではありません。
そんな企業の発行する持分証券に投資するんだから、いくら優良企業とは言え数%のプレミアムを見ておくのは当然と言えます。

100%確実な未来なんてないのですから。

でもバフェットは違うんですね。
バフェットは将来のキャッシュフロー(配当)は”ほぼ”100%確実でないと、投資判断を下さないのです。

企業の将来キャッシュに、米国債のクーポンと同じくらいの確からしさがないと投資しないとバフェットは宣言しています。
割引率に長期国債利回りを使うとはそういう意味です。

バフェットにとって債券投資に対するリスクと、株式投資に対するリスクは同等だということです。
同じリスクなら、リターンは高いほうがいいに決まってます。
だからバフェットは米国債ではなく米国株に投資しています。

株式の割引率って主観的なんですね。
客観的絶対的な正解はありません。

バフェットを真似る投資法のメリットを敢えてファイナンス的に表現すると、バフェットを真似ることで将来配当に対する自身のリスク認識を低減させて割引率を押し下げることができる、となるでしょうか。

とは言え、バフェット本人と個人投資家の間には圧倒的な経験格差と情報格差があります。
またバフェットはバークシャーという投資ファンドのCEOであるという立場も個人投資家とは異なります。

 

 

バフェットは「割引率が国債と同等」だと判断しないと株を買わないわけです。
割引率が国債より高くなれば、売却を検討するということです。

バフェットがIBM株を売却したということは、バフェットはかつてほどIBMの将来キャッシュ(将来配当)を信用できなくなったということです。
それはアマゾンやグーグルなどの競合が思った以上に強いこと、IBMの経営陣の素質などでしょうか。

しかも、バフェットは個人資産だけでなく多くの投資家の虎の子のマネーも預かっているファンドマネージャー的な立場でもあります。
絶対に大損はできないわけです。

つまり、バフェットは99.9%確実だと判断しないと投資しないということ。

それは決してバフェットがビビりで臆病者だと言いたいわけではありません。
リスクは(割引率は)低く出来れば、それに越したことはありませんから。

リスクを果敢に取ることが格好いいと思っている人がいるかもしれませんが、リスクを回避できるなら回避するに越したことはありません。
同じリターンならリスクは低い方が望ましいです。

ハイリスク・ローリターンほど恥ずかしいことはありません。
格好いいのは、ローリスク・ハイリターンです←普通は存在しないけど。

ハイリスク・ハイリターンの株式投資を、ローリスク・ハイリターンに変えてしまうのが、バフェットの銘柄選択眼です。
まあバフェットの眼も完璧ではないということですね。

 

 

さて、とても大事なことがあります。
それは、あなたはバフェットの銘柄選択眼を持っていないということです。

あなたはバフェットのように企業トップからインサイダー情報を得られるわけではないし、バフェットのように投資経験が豊富なわけでもないでしょう。
(バフェットの投資歴は70年以上!)

どんな銘柄を買うにしろ、私たち個人投資家はある程度のリスクを引き受けるしかありません。
バフェットのようにリスクを国債並みに低減させるなんて土台無理な話です。

たとえバフェットを真似ても、株式投資リスクを国債並みにすることはできません。
なぜなら、リスク(割引率)とは主観的なものであって、あなたの脳みそとバフェットの脳みそは全く違うからです。
あなたの主観とバフェットの主観は全く違うんです。

バフェットが見ている世界と、あなたが(私も)見えている世界は絶対に違います。
これはどれだけバフェット本を読んでも追いつくことができないことです。
(そもそも、バフェット本人が書いた書籍はこの世に存在しない。一番近いのはスノーボールかな)

この虹、何色に見えますか?

7色くらいに見えますか?

でもね、バフェットにはこの虹が50色くらいに見えていると思いますよ。

同じ事象現象でも、人によって見え方は全然違います。
この色の見え方の違いは、各人の経験と知識の違いに起因するものです。

バフェットを真似て「あ、俺にもこの虹50色に見えるよ!」って言うのは全然悪いことではないし、別に本人の自由です。
ただ実際に50色見えているわけではないんですよね。

バフェットを真似てもバフェットみたいに投資リスクを低くすることはできないということです。

表面的にバフェット投資法をなぞることで、投資リスクが消えることはありません。
バフェットの脳ミソを移植するくらいしないと、バフェットと同じように投資リスクを国債並みにすることは不可能です。
だって、繰り返しで恐縮ですがリスクとは主観的なものだからです。

 

 

 

仮にIBM株を売って、その資金でどの株を買うのでしょうか?
IBMより好ましいと断言できる銘柄があるのでしょうか?

私たち個人投資家にできる事と言えば、過去の数字をしっかりチェックして優良企業に分散投資することだけです。

これはIBMの過去10年のキャッシュフローです。

フリーCFは毎期安定しており、営業CFマージンは20%を超えています。
営業CFマージンが20%を超えるような高収益体質は一朝一夕で出来上がる堀ではありませんが、一度出来ればそう簡単に崩れるものではありません。

これまでの利益・キャッシュ・配当などの実績から長期投資に足る優良企業か否か判断するくらいでしょう、長期投資家としてできることは。

たとえあなたが職業がら特定の業界に詳しくても、それくらいの情報は株価に織り込まれていると思うくらいの謙虚さが必要だと思います。

株式投資にリスクは付き物です。
リスクプレミアムこそ株式投資の利益の源泉です。

 

 

 

5%程度の株価下落でおたおたしていては投資家業は務まりません。
今はっきりわかるのはIBMの過去のキャッシュフロー、株主還元は素晴らしいということです。

将来をいくら不安に思っても、所詮サラリーマン兼業の個人投資家がITセクターの未来を完全に見通せるわけありません。

だからリスクを消し去ろうという欲は捨てて(その能力はないと諦めて)、リスクはしっかり受け止めた方がいいと思います。
その代わり、程よく分散投資を心がけて長期的な投資を心がけるべきです。

どうせどの株を買おうと、我々個人投資家は投資リスクを背負っていかねばならないのです。
バフェットのように、割引率(リスク)を国債の利回り並にするなんて無理だって。

過去の実績がある優良企業の株式に分散投資する。
もちろんETFでもOK。
こうするしかありません。

優良企業か否かの判断は数字で判断するのが合理的です。
数字で判断する限り、IBMは超優良企業です。

これ以上、IBM株へのリスクを下げる手段をあなたは持っていますか?
多分、、ないですよね。

であれば、ほどほどの分散を心がけてIBM株への投資を続けていくほかないと思いますよ。

別に米国にはIBM以外にもたくさんの優良企業があるので、IBMに投資しなくてもそれはそれで何の問題もないと思います。

 - 投資実務