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【BRK.B銘柄分析】バークシャー・ハサウェイは投資事業だけじゃない、保険とか鉄道とか色々ある

   

※2017年12月期決算データ反映、BSデータ追加、コメント刷新

S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。

データソースはMorningstarです。

今回はバークシャー・ハサウェイ(BRK.B)をご紹介します。


  バークシャー財務情報等

基本情報

会社名 バークシャー・ハサウェイ
ティッカー BRK.B
創業 1889年
上場 1988年
決算 12月
本社所在地 ネブラスカ州
従業員数 377,291
セクター 金融かな?
S&P格付 AA
監査法人 Deloitte
ダウ30 ×
S&P100 ×
S&P500 ×
ナスダック100 ×
ラッセル1000 ×

 

事業構成

2017年度10Kレポートより取得した事業別損益。
(税制改革による特別利益の影響を除外しているので、合計金額$15,834 Millionは損益計算書の純利益とは一致しません。 )

(単位:百万ドル)

事業 損益 構成割合
保険引受 -2,219 -14%
保険投資 3,917 25%
鉄道 3,959 25%
公共エネルギー 2,083 13%
製造サービス 6,208 39%
金融 1,335 8%
投資・デリバティブ 1,377 9%
その他 -826 -5%
合計 15,834 100%

 

保有上場株(2017年末時点)

 

業績

 

キャッシュフロー

 

バランスシート

資産

バークシャーのBSは流動資産と固定資産に区分されていなかったので、上場株式(アップル株やコカ・コーラ株など)とそれ以外とで区分してみました。

負債純資産

バークシャーのBSは流動負債と固定負債とに区分されていなかったので、負債合計と純資産とに分けているのみ。

 

株主還元

なし(無配)

 

バリュエーション指標(2018/5/13時点)

PER:10.9倍 最新情報はこちら

 

感想

世界一著名なカリスマ的投資家ウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイ。バークシャーハサウェイという会社名は、かつてバフェットが買収した繊維会社の名前がそのまま残ったものです。

バークシャーと言えば、ウェルズファーゴやアップル、コカ・コーラなど上場株投資が主要ビジネスだと思われがちですがそうではありません。上場株投資は数あるバークシャーのビジネスの一部でしかありません。

2017年のバークシャーのセグメント別損益は以下の通り。
(上で掲載した表の再掲です。)

(単位:百万ドル)

事業 損益
保険引受 -2,219
保険投資 3,917
鉄道 3,959
公共エネルギー 2,083
製造サービス 6,208
金融 1,335
投資・デリバティブ 1,377
その他 -826
合計 15,834

 

バークシャーのビジネスの大きなシェアを占める分野として保険事業があります。1996年にGEICO(ガイコ)を完全買収しました。多額の上場株投資をしていますが、元々その購入原資はこの保険事業の預り金でした。ガイコは住宅保険・災害保険・生命保険など幅広く取り扱っており、98年にはジェネラル・リーという再保険会社を買収しています。他にも数社の保険会社を傘下に抱えています。

他の大きなビジネスとして鉄道事業があります。2010年にバーリントン・ノーザン・サンタフェ(BNSF)を買収しました。鉄道というと地味な印象を受けるかもしれませんが、BNSFはバークシャーの利益に大きく貢献しています。

鉄道事業の他に、製造・サービス業もあります。多種多様な製造業ビジネスの会社を完全子会社と保有しているようですが、申し訳ない詳細は調べきれませんでした・・。上記表の通り、最も利益に貢献しているセグメントがこの製造・サービスです。

公共事業・エネルギー事業もあります。ミッドアメリカン・エナジー・カンパニーという会社の株を90%近く保有しており、アイオワ州を中心に電力・ガス事業を営んでいる。

これらの上場株投資以外の実業がバークシャーの主な収入源としてあります。バークシャーは株式投資から事業運営に舵を切っています。というのも、上場株の運用額は2000億ドル弱と超巨額になっており、いくらバフェット氏と言えどもS&P500平均を大きくアウトパフォームすることが困難になっているという事情があるからです。

バークシャーの長期パフォーマンスは悪化しつつあるようだ。1976年〜85年には同社の年平均リターンがS&P500種指数を36.5ポイントも上回った。1986年〜95年はバークシャーのリードが14.4ポイントとなり、1996年〜2005年は「わずか」1.6ポイントにとどまった。

WSJより

 

 

過去の財務データを見てみましょう。

売上高はここ10年右肩上がりです。M&Aによって規模を拡大してきている上に、鉄道などの事業は好調に推移しています。保険料収入も増加しています。

FY17の純利益は449億ドルで前年比2倍以上に拡大したが、法人税減によって米国外子会社の繰延税金負債の再評価益291億ドルが発生した影響が大きく、当該影響を除けば純利益は158億ドルです。実質的には減収決算だったと言えます。減収決算となった理由は大きく2つあります。1つ目は、プエルトリコのハリケーン、カリフォルニアでの山火事への対応で保険金支払いが嵩んだこと。2つ目が2016年にはリグレー、クラフト・ハインツの優先株償還、ダウ・ケミカル株の売却等で65億ドルの投資利益があったが、2017年はそのような大きな投資利益がなかったことです。

キャッシュフローは安定しています。営業CFマージンは15%近くあり高水準。しかもキャッシュフローには上場株の純資産価値の増加が反映されていない為、実質的な営業CFマージンはもっと高いと見てよいと思います。

バランスシートを見てみましょう。総資産約7,000億ドルに対しクラフト・ハインツやアップルなど上場株は約2,000億ドルです。「バークシャー=株式投資で儲けている」というイメージが先行しがちかもしれませんが、そうではないことがBSから分かりますよね。上場株以外で多い資産としては短期国債を1000億ドル近く保有しています。あとは、鉄道事業・電力事業での有形固定資産や傘下の金融会社が保有するローン債権が多いです。

株主還元は今のところ無配を貫いています。バフェットは配当を出さなくともバークシャーCEOとしての自分の投資判断によって、常に株主利益に貢献する再投資できるという理由から一切配当を出していません。実はかつて一度だけ配当を出したことがあるのですが、その時バフェットは「自分がトイレに行っている間に取締役会で決まった、私は知らん」と言っているようです。どんな言い訳やねん(笑)。しかし、バフェットは今後は資本政策を見直すことを株主総会で語っています。具体的にはバロンズによれば、「3年後の総会でキャッシュが1500億ドルまで積み上がっていたとすれば、その一部を株主に還元すべき」とのこと。バークシャーが高配当株になる日が来るかもしれませんね。

 

2018年から注意点

2018年からバークシャーの決算を見る上で注意点があります。新しい金融商品会計基準が適用となり、バークシャーが保有する上場株の会計処理方法が大きく変わります。

従前は配当と売却損益だけがPLに計上されていましたが、2018年からは株価変動によるキャピタルゲイン(ロス)までもがPL計上されることになりました。

~2017年 2018年~
配当
売却損益
キャピタルゲイン・ロス ×

これは投資家を混乱させる会計処理方法の改悪だと私は思っていますが、法律で決まったことなので仕方ありません。投資家として会計処理の変更をきちんと理解して受け入れるしかありません。2018年から気を付けましょう。

約2000億ドルという巨額の上場株を保有しています。10%値下がりするだけで200億ドルというバークシャーの現在の純利益を食い潰すほどのインパクトを与えます。2018年から、バークシャーの純利益は株価と為替によって大きく変動することになるので、決算書を見る時は注意しましょう。実際に2018年第1四半期決算は最終赤字となりましたが、株式評価損の影響を除けば実質黒字でした。

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