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【BMY銘柄分析】ブリストル・マイヤーズ・スクイブは「オプジーボ」を開発したバイオ医薬品会社

   

※2017年12月期決算データ反映、BSデータ追加、コメント刷新(2018/4/30)

S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。

データソースはMorningstarです。

今回はブリストル・マイヤーズ・スクイブ(BMY)をご紹介します。


  ブリストルマイヤーズ財務情報

基本情報

会社名 ブリストル・マイヤーズ・スクイブ
ティッカー BMY
創業 1887年
上場 1929年
決算 12月
本社所在地 ニューヨーク州
従業員数 23,700
セクター ヘルスケア
S&P格付 A+
監査法人 Deloitte
ダウ30 ×
S&P100
S&P500
ナスダック100 ×
ラッセル1000

 

地域別売上構成比

 

製品別売上構成比

オプジーボ:がん免疫治療薬
エリキュース:抗凝血剤(ワルファリンと同じような働き)
オレンシア:関節リウマチ薬
スプリセル:白血病治療薬
ヤーボイ:がん治療薬

 

業績

 

キャッシュフロー

 

バランスシート

資産

負債純資産

 

株主還元

この記事を読むともっとこのグラフを理解できます!

 

連続増配年数

8年

 

バリュエーション指標等(2018/4/29時点)

PER:85.6倍 最新情報はこちら

配当利回り:3.1% 最新情報はこちら

配当性向:46% 最新情報はこちら

 

感想

ブリストルマイヤーズ・スクイブ(BMY)は、ブリストルマイヤーズ社とスクイブ社が1982年に合併して誕生したバイオ製薬会社です。

BMYが特に強いのががん治療領域です。「オプジーボ」が有名です。日本の小野薬品工業と共同開発した新薬で、がん治療の現場を一変させました。がん細胞は体内の免疫細胞に攻撃されないようにする仕組みを持っています(この仕組みがあるからがん細胞は増殖し続ける)が、その仕組みを壊して免疫細胞ががん細胞を攻撃できるようにするのが「オプジーボ」です。これは革命的な薬と言われており、肺がん・悪性黒色腫(メラノーマ)・腎細胞がん・頸部がんなどで有効性が確認されています。人間がもともと持っている免疫システムを利用した免疫療法は、いま製薬業界でもっとも注目を集めている分野です。メルクの「キイトルーダ」が最大のライバルです。

「オプジーボ」の他に近年急激に売上を伸ばしているのが、ファイザーと共同開発した抗凝血剤の「エリキュース」です。ワーファリンの代替薬でより出血リスクが小さいと評価されています。「エリキュース」の2017年売上高は48億ドルで「オプジーボ」とほぼ同等です。この2製品で売上高の約半分を占めます。

日本での薬価を巡る騒動もあり、どうしてもブリストルと言えば「オプジーボ」というイメージが強いかもしれません。しかし、同社はがん治療以外にも多様な製品ポートフォリオを持っています。確かに「オプジーボ」の貢献は大きいですが、それ以外の薬のインパクトも無視できません。たとえば、上で挙げた心血管領域の「エリキュース」があるし、他には関節リウマチ薬の「オレンシア」、白血病治療薬の「スプリセル」などがあります。

 

過去の財務データを見てみましょう。

売上高はここ3年ほど右肩上がりで好調です。「オプジーボ」と「エリキュース」の売上げが爆発的に伸びていることが要因です。両者のFY15からの年間売上高推移をグラフにしました。

ただし、今年4月にがん治療最大の競合であるメルクが「キイトルーダ」の臨床試験で非常に優秀な成績を出したこともあり、「オプジーボ」の地位がどうなるか不安定ではあります。今のところ、マーケットは「キイトルーダ」に分があると判断しているように見えます。メルクの株価は上昇し、ブリストルの株価は下落傾向です。

FY17は業績好調にもかかわらず純利益・EPSが急減していますが、これは税制改革による一時的な税金コストが29億ドル発生しているためです。米国外の留保利益に対して繰延税金負債を計上しています。ブリストルは米国外の売上割合が半分弱あります。GAAPベースのEPSが0.61ドルなのに対して、非GAAPの調整後EPSは3.01ドルもあります。実績PER85倍は実態を正しく表していないので注意しましょう。

業績の伸びに応じてキャッシュフローも増えていますね。営業CF、フリーCFともに潤沢です。特にここ数年で営業CFマージンが大きく伸びていることが分かります。「オプジーボ」の貢献が大きいでしょう。しかし、製薬メーカーは研究開発コストの発生タイミングと新薬の売上発生タイミングとが大きくずれるので、このような収益率改善を過度にポジティブには捉えていません。もちろん新薬開発に成功することは嬉しいことですけどね。過去10年で見ても営業CFマージンは20%近くありますから、超優良企業には違いありません。

バランスシートを見てみましょう。流動資産が総資産の40%以上もありますが、これは主にキャッシュです。2017年12月末時点で68億ドルものキャッシュを保有しています。これは米国外で稼いだ留保利益だと思われます。レパトリ減税成立で、この多額の資金をどう使うか要注目です。ただ製薬会社は常に新薬開発失敗のリスクを抱えているので、比較的資金を厚めに持っている傾向があります。その辺は、生活必需品セクターのフィリップモリスやコカ・コーラとは大きく異なる点です。固定資産の主な内容は買収に伴うのれん、建物設備などの有形固定資産です。FY17に固定負債が増加していますが米国外の留保利益に対する税金負債の影響が大きいです。

株主還元も問題ありません。連続増配は2010年以降からですが、それ以前も減配はしていません。リーマンショックの時も配当は維持しました。自社株買いを含めると総還元性向は100%近くあります。

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