ロッキード・マーチン(LMT)やレイセオン(RTN)といった軍事銘柄が割安だとバロンズが評価しています。

一部引用します。

中間選挙で民主党が下院の過半数議席を獲得することが見込まれる中(実際にそうなった)、トランプ大統領の下で2年にわたり急増した防衛予算は減少に転じると予想されている。だが実際は、予算の大幅削減の可能性は過大に見積もられているように見える。

(中略)

「テロとの戦い」から「冷戦2.0」への移行が進む中、従来の軍備調達計画の予算減が近未来的な兵器への投資増によって相殺され、防衛予算は横ばいとなるか、インフレによって増加する公算が大きい。

現在の防衛銘柄の売りは行き過ぎていると思われる。

バロンズより

ロッキード・マーチンのバリュエーションを見てみましょう。2018年予想EPSは17.6ドルで現在(11月11日終値)の株価は313ドル、PERは17.8倍。2019年予想EPSは19.6ドルでPER16.0倍です。
現在の配当利回りは2.8%。

うむ、、これを割安と言ってよいのか悩むところ・・。ちなみに、バロンズによれば2020年予想利益に基づくPERは12倍まで下がるみたいです。今後数年間で2桁リターンが可能とのこと。

確かに2020年までにそこまでEPSが増えるなら、2018年予想利益に基づくPERが17倍とS&P500と同水準でも割安に見えます。政府予算で売上が予見しやすいから、結構信用できる予想かもしれません。

いいですよね、軍事銘柄。タバコや石油と並んで「非道徳」と呼ばれることがあって「善良な投資家」から人気薄です。その分、投資妙味がある分野と言えるかも。

ただこれは持論なのですが、軍事銘柄の長期リターンは市場平均をアウトパフォームしないと思っています。なぜなら、半分国営企業というか公益企業みたいなもので売上高が非常に安定しているからです。アメリカ政府の税金が収入源です。

法規制によって利益が守られている分野は、マーケットのリスク認識がそれほど高まることはなく、結果としてハイリターンは期待できないと思います。でも、それは悪いことではありません。リスクを抑えてほどほどのリターンを狙いたい時に便利な存在です。

私の中で、法規制に守られているため、安定リターンと引き替えに高いパフォーマンスが期待できないだろうと思う分野が3つあります。

・公益(電力、水道、ガス)
・電気通信
・軍事、防衛
の3つです。

理由はさっき言った通り、法規制による参入障壁が大きく投資家が安心感を覚えやすい業種だからです。法規制で守られているというのは、裏を返せば、法律によって販売価格に上限が設定されているということです。特に公益は。電気通信は「ネットワーク中立性」が廃止されたのでマシになったかも。

この3業種の中では、軍事企業が相対的にもっともハイリスク・ハイリターンな印象を持っています(直感です)。

少しリスクを抑えたいけど債券ではなく株に投資したいとき、ロッキード・マーチンのような軍事銘柄は選択肢になりそうです。しかも「非道徳」として嫌われがちですから、安定リターンの割に株価は安くなりがちかもしれません。証明はできませんが。

2020年利益に基づくロッキードの予想PERが12倍ということは(バロンズ曰く)、逆算すれば2020年のEPSは27ドル近くまで上昇する計算になります。2018年予想EPS17.6ドルの1.5倍です。かなりの成長幅です。米国政府の軍事予算という安定収入源がありつつ、そこまで成長できるなら確かにロッキードは割安に見えます。

まあバロンズ読んだくらいで儲けれるほど投資の世界は甘くないですかね。参考までに。