※2017年12月期決算データ反映、BSデータ追加、コメント刷新(2018/7/29)
S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。
データソースはMorningstarです。
今回はバンク・オブ・アメリカ(BAC)をご紹介します。
バンカメ財務情報等
基本情報
会社名 | バンク・オブ・アメリカ |
ティッカー | BAC |
創業 | 1874年 |
上場 | 1979年 |
決算 | 12月 |
本社所在地 | ノースカロライナ州 |
従業員数 | 209,000 |
セクター | 金融 |
S&P格付 | A- |
監査法人 | PwC |
ダウ30 | × |
S&P100 | ○ |
S&P500 | ○ |
ナスダック100 | × |
ラッセル1000 | ○ |
地域別売上構成比
セグメント別売上構成比
業績
バランスシート
資産
負債純資産
BPS(一株当たり純資産)
株主還元
連続増配年数
4年
バリュエーション指標等(2018/7/29時点)
予想PER:10.7倍 最新情報はこちら
配当利回り:1.9% 最新情報はこちら
PBR:1.3倍 最新情報はこちら
感想
バンク・オブ・アメリカ(通称バンカメ)は、世界40か国に拠点を持つグローバル金融機関です。商業銀行業務、投資銀行業務、資産運用・管理など幅広く金融ビジネスを展開しています。資産額ベース及び時価総額でJPモルガン・チェースに次ぐ全米2位の規模を誇ります。
バフェット(バークシャー)が投資する金融銘柄と言えばウェルズ・ファーゴが先ず思い浮かびますが、バークシャーは2011年にこのバンカメにも出資しました。バークシャーにとってかなり条件の良い優先株でした。今やバークシャーの保有上場株の10%以上を占めるになりました。これはアップル、ウェルズ・ファーゴに次ぐ第3位です。まさにバフェット銘柄と言えます。
バンカメのここ最近の特徴的な動きとしては地方支店の閉鎖が挙げられます。収益性の低い地方銀行を閉鎖して、都心部に資源を集中させる方針です。インターネットが発達したことから、必ずしもコストを掛けて箱を用意する必要性もないという事情もありそうです。
財務データを確認しましょう。
売上高(営業収益)はリーマンショック後のFY09に大きく回復して1200億ドルを超えました。しかし、FY09をピークとしてFY12まで3期連続の減収となっています。FY13以降は850億ドル前後で売上高は横ばいです。今でもウェルズファーゴに匹敵する売上規模を持っています。ROEは7%弱と競合に比べてやや低い印象です。FY17は税制改革に伴う一時コスト(繰延税金資産の評価引き下げ)が29億ドルも発生したにもかかわらず、前年比で増益となりました。
バランスシートですが、貸出金は総資産の4割程度です。投資銀行部門やウェルスマネジメント部門もあり、トレーディング資産や債券も多く保有しています。調達側は預金が約6割、借入金が1割、エクイティが1割、他となっています。
配当についてはかなり極端なグラフになっていますね。リーマンショック時であるFY09での減配幅が凄まじいです。DPS(一株当たり配当)は2.24ドルから0.04ドルに急落しています。FY13まで一株当たり0.04ドルの配当が続きましたが、FY14に0.12ドルに大きく増配しました。以降、順調に配当は増えていってます。
バンカメは2008年に住宅ローン事業を手掛けるカントリーワイドを買収し、さらに経営危機に瀕していたメリルリンチも買収しました。これらのM&Aが結果として、サブプライムローン問題の業績への影響を大きなものにしました。これがFY09での大減配の原因です。40ドル以上あった株価は一時3ドルほどまで下落しました。今も当時の高値には遠く及ばない株価水準です。
リーマンショック時にバフェット率いるバークシャーは、バンカメの優先株を50億ドル取得しています。バフェットは割安な価格でバンカメに投資できたとは今言えることで、米国経済が崩壊すると皆が怯えている時に、50億ドルもの資金を金融機関に投資するなんて普通の投資家が取れる行動ではないです。ちなみに、この時バフェットはゴールドマン・サックスにも資金を出資しました。
バンカメは個人に対する強いブランド力からなのか、金利が上昇しても預金金利を上げずに済んでいる傾向にあります。金利の上昇がそのまま純金利マージンの上昇に直結するため、今後の金利動向が業績に大きく影響します。FRBは2018年も継続して利上げを続けており、バンカメには追い風です。
こんにちは、hiroさん
バンカメは確かいいかもしれないですね。
僕はNYSE:USB一択ですね。配当も悪くないし、安定しているので。。
EPS成長率も高く、営業利益率:34%(10年平均)、売上高フリーキャッシュフロー比率:平均38%(10年平均)、自己資本比率:10.61%、ROE:12.60%、ROA:1.36%
全米5位の地方銀行な感じですが、投資先としてはやらかしたWFCよりはましですかな。笑笑
カイトさん、こんにちは。
米金融機関の財務諸表を始めて真剣に拝見しております。
バンカメはリーマンショックの時でもギリギリですが最終黒字を確保していたのですね。
事業ポートフォリオも適度に分散されていて、金融セクターの中では安心して長期保有できる銘柄かもしれませんね。
大手銀行は株主還元が政府に規制されているので、なかなか将来の配当が読めないですね。
金融規制の規制緩和も本当に実現するかわからないですし。
USBは長期投資向きと言われますよね。
私も近い内にUSBの銘柄分析アップしてみますので、お時間あればご覧ください。
それにしても金融機関の財務諸表は苦手です・・。
勉強したいです。
お返事ありがとうございます。
色々と商業銀行、投資銀行の財務状態をチェックしているのですが、WFC、USB、BK、BAC投資銘柄としては硬いですね。いい銘柄だとは思います。
銀行以外に目を向けると、TRV、AFL等の保険会社、BLK、BX、ABの運用会社の財務諸表も面白いかもしれないです。ちなみにBLKの粗利率は半端ないです。http://financials.morningstar.com/ratios/r.html?t=BLK®ion=USA&culture=en_US
こちらこそ、色々と情報のご提供ありがとうございます。
知識ないのでとても助かります。
書いて下さったティッカーシンボルがどこの銀行かも、調べないとわかりません(汗)。
BKでバンク・オブ・ニューヨーク・メロンのことなんですね。
これ、確かバフェットが投資した銀行ですよね!
気になるので調べてみますね。
BLKはブラックロックですね。
ブラックロックと言えば、お世話になっているHDVを運用している会社ですね。
資産運用会社も金融セクターか、そうですね。
今まで選択肢にすらなかったです。
うわ、ホントに粗利率凄いですね・・。
ブラックロックの売上原価って何で構成されているのか疑問です。
システム費用でしょうか。
ありがとうございます、見てみます。