S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。

データソースはMorningstarです。

今回はアリババ・グループホールディング(BABA)をご紹介します。

 アリババ銘柄分析

基本情報

会社名 アリババ・グループ・ホールディング
ティッカー BABA
創業 1999年
上場 2014年
決算 3月
本社所在地 中国 浙江省
従業員数 63,809
セクター ハイテク
S&P格付 A+
監査法人 PwC

ダウ30 ×
S&P100 ×
S&P500 ×
ナスダック100 ×
ラッセル1000 ×

地域別売上構成比

100%中国売上

セグメント別売上構成比

業績

キャッシュフロー

バランスシート

資産

負債純資産

株主還元

無配(自社株買いの実績はあり。後述参照。)

連続増配年数

無配

過去10年の配当成長

無配

過去の株主リターン(年率)

過去3年:+19.0%

バリュエーション指標(2018/12/31時点)

PER:20.4倍 最新情報はこちら

配当利回り:無配 最新情報はこちら

コメント

アリババは中国最大のeコマース企業です。馬雲(ジャック・マー)氏が1999年に創業し、10年も経たない2007年に香港証券取引所に上場。2014年にはNY市場に上場しました。現在の時価総額は40兆円弱で、マイクロソフト、アップル、アマゾン、アルファベットに次ぐ5位に位置しています。米国のシリコンバレーに負けない巨大企業です。

ソフトバンクグループが発行済み株式の29%を保有しており、同社の持分法適用会社となっています。

売上はすべて中国国内。なので私たち日本人にとっては名前はよく聞くけど、実際にサービスを利用することはない企業ですね。内需だけでアルファベットに匹敵する時価総額ですから、末恐ろしいです。これからどうグローバル展開するのか。アマゾンがEC市場を席巻する中で、それは容易ではないと思いますが。

昨年2018年に創業者のジャック・マー氏が会長を引退すると発表しました。アリババ創業から20年、一つの節目となりそうです。

事業セグメントは主に以下の3つです。
・コアコマース
・クラウドコンピューティング

・デジタルメディア、エンターテインメント

コアコマース部門は売上高の9割弱を占めます。アリババドットコム、タオバオ、TMALLといった電子商取引プラットフォームを提供し、手数料収入を得ています。アリババドットコムはBtoB向けサイトで、ロット販売が中心です。タオバオはBtoC向けです。ユーザーからしたら大きな違いはないのかもしれません。私たちが使っているネット通販(アマゾン、楽天、ゾゾタウン)に近いのはタオバオと思われます。

クラウド事業はまだ全体の5%に過ぎませんが、ここ数年ハイスピードで成長しています。まだ赤字ですが、いずれは稼ぎ頭に育つかもしれません。

デジタルメディア・エンターテインメント事業は、映画やドラマ、バラエティ番組、ゲームなどのコンテンツを提供しています。この事業もまだ赤字です。

アリババの営業利益率は30%ほどもありますが、コアコマース部門以外は赤字です。クラウド等の新規事業が成長し黒字転換すれば、アリババの収益性はもう一段上がると期待できそうです。

財務データを見てみましょう。

FY08~FY17の売上高成長率(年率)は59%とハイペース。FY17の売上高は2503億人民元(約4兆円)で、前年比+58%。コアコマース部門が伸びました。クラウド事業の売上も2倍以上増えました。ただ利益率は徐々に下がっています。

キャッシュフローは潤沢で営業CFマージンは50%もあります。アマゾンの同指数は10%くらいです。

バランスシートについて。流動資産が総資産の36%ありますが、内容はほぼ現預金です。固定資産の半分強が建物設備等の有形固定資産。倉庫や土地でしょうか。残り半分は主にM&Aに伴うのれんです。有利子負債は少なく手元現金も多く営業CFも潤沢ですから、財務は非常に健全と言えます。

配当はまだ出していません。自社株買いはFY15とFY16にそれぞれ200億人民元、130億人民元ほど実施しています。