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【AGN銘柄分析】アラガンはしわ取りの「ボトックス」で有名な特殊医薬大手

   

S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。

データソースはMorningstarです。

今回はアラガン(AGN)をご紹介します。

基本情報

会社名 アラガン
ティッカー AGN
創業 1983年
上場 1993年
決算 12月
本社所在地 アイルランド
従業員数 17,800
セクター ヘルスケア
S&P格付 BBB
監査法人 PwC

ダウ30 ×
S&P100
S&P500
ナスダック100 ×
ラッセル1000

地域別売上構成比

セグメント別売上構成比

業績

キャッシュフロー

バランスシート

資産

負債純資産

株主還元

割愛(FY17から配当を出している)

連続増配年数

1年

過去10年の配当成長

割愛

過去の株主リターン(年率、配当込み)

過去10年(2008~2017):+20.3%
過去20年(1998~2017):+8.3%
過去30年(1988~2017):+9.8%

バリュエーション指標(2019/1/20時点)

予想PER:9.8倍 最新情報はこちら

配当利回り:1.9% 最新情報はこちら

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アラガン(AGN)はアイルランドに本社を置く大手製薬会社です。2015年に後発医薬のアクタビスがアラガンを660億ドルで買収し、現在の規模にまで拡大しました(アクタビスが社名をアラガンに変更)。

ファイザーが節税目的もあってアイルランド本社のアラガンを買収しようと試みましたが、オバマ政権の圧力もあって破談となりました。そう言えば、武田薬品が買収したシャイアーをかつて買収しようとしていたのが、アラガンでした。この業界は大型M&Aが活発ですね。

しわ改善効果のある美容薬「ボトックス」を始めとした特殊医薬に強みがあります。事業セグメントは以下の3つに分かれます。

・米国特殊医薬
・米国一般医薬
・米国外事業

「米国特殊医薬」が取り扱う主な製品としては、前述の「ボトックス」、ドライアイ治療薬「レスタシス」、ヒアルロン酸の「ジュビダーム」などがあります。やはり「ボトックス」の貢献度はかなり大きいです。この1製品だけで年間32億ドルも稼いでいます。アラガン全体の売上高の20%超を占めます。

「米国一般医薬」が取り扱う主な製品としては便秘薬「リンゼス」、高血圧治療薬「バイストリック」アルツハイマー病治療薬「ナメンダXR」などがあります。

なお、2016年に後発薬事業をイスラエルのテバファーマスーティカル・インダストリーズに売却しています。付加価値の高い美容薬などに経営資源を集中させる方針のようです。美しくありたいという人の(特に女性の)願望、ニーズは時代・地域によらず大きなマーケットを形成します。

財務データを見てみましょう。

売上高はFY14から大きく伸びていますが、アクタビス統合の影響が大きいと思われます。主力の「ボトックス」は依然伸びており、オーガニックな成長もそこそこあると思われます。

純利益の推移を見るとちょっと混乱しますね。FY16は売上高以上の純利益。そしてFY17は一転して赤字転落。FY16に純利益が跳ね上がっているのは、テバへの後発医薬事業譲渡益によるもの。FY17の赤字は、税制改革に伴って米国外留保利益に対する税金費用を認識したためです。いずれも特殊要因です。

M&Aやら税制改革があると、PLは見づらくなりますね。こういう時はキャッシュを見ましょう。ってことでCF計算書を見ると、PLでは赤字のFY17もしっかり営業CFがプラスになっていることがわかりますね。FY16に営業CFが落ち込んでいるのは、投資CFとの入り繰りが影響していると推測しており、あまりに気にしなくてよいと思います。

バランスシートを見てみましょう。固定資産が9割ですが、このほぼすべてが過去の買収に伴うのれんと無形資産です。アラガンのBSの資産の部(左側)は、現金と売掛債権を除けば、目に見えない無形資産で埋め尽くされています。M&Aが多い製薬会社っぽいBSですね。先日見た鉄道会社のユニオンパシフィックとは対照的です。

負債純資産を見ると自己資本比率が上昇しており一見財務は健全です。しかし、絶対額で見ると買収資金手当てのための有利子負債がかなり増加しています。今後、株主還元と負債返済のバランスを上手く取っていく必要があるように思います。

配当は2017年から出しています。それまでは無配。営業CFは潤沢ですから、今後の増配には期待できそうです。ただし、配当よりも債務返済を優先する可能性もあります。

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