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「固定資産の圧縮記帳」から考える投資信託の魅力

   

インデックス投資を行うツールとしてETFか投資信託かは迷うところです。どちらも一長一短ありますので、投資家それぞれ自分に合う方を選べばいいと思います。私はETFの方が好きなのですが、投資信託も非常に魅力的な商品だと思っています。

投資信託の最大のメリットは分配金が非課税で自動再投資される点だと思います。

分配金は投資信託を解約した時には課税されますが、それまでは繰り延べられます。税金はあくまで将来に繰り延べるだけであって、免税になるわけではありません。税金支払い額自体は変わらず、支払いタイミングが後にズレるだけです。でも、その税金の支払いが後にズレるという効果は非常に大きいです。

 

固定資産の圧縮記帳とは

話が変わりますが、法人税法には固定資産の圧縮記帳という概念があります。その名の通り固定資産の簿価をギュッと圧縮するものです。

地方自治体や政府は、企業の投資を促すために補助金制度を設けていることがよくあります。アマゾンが第2本社の場所を検討中ですが、各州あらゆる税額控除や補助金でアピール合戦をしています。

企業が補助金を受け取ると当然利益が上がりますね。補助金は損益計算書の特別利益に計上されて純利益を押し上げます。補助金は嬉しいものですが、一つやっかいな事があります。税金です。補助金は企業にとって利益ですから、その利益には課税されます。せっかく投資促進のために政府や地方自治体から補助金をもらったのに、それにいきなり課税されてしまったら補助金の効果は小さくなります。ひいては、そのような補助金への一括課税は、企業の積極的な投資活動を妨げることにもなり兼ねません。

100億円で新工場を設立する計画があり、政府から30億円の補助金を受け取れるとします。でも、その30億円にいきなり法人税30%を課税されて9億円も税金取られたら、補助金の額は実質的に21億円に減っちゃいます。いきなり補助金に課税することは、企業の投資を促すという補助金の趣旨に反します。

そこで、登場するのが圧縮記帳です。圧縮記帳とは補助金相当額を工場建物など固定資産の簿価から差し引くことを言います。補助金を一括で収益計上するのではなく、固定資産の簿価から差し引くことで毎年の減価償却費を減少させます。そうやって減価償却費という費用を減らすことで、少しずつ補助金を損益計算書に反映させる技法を圧縮記帳と言います。
(実務的には積立金方式が多いと詳しい人は思うでしょうが、そこは今回の記事では割愛。)

ちょっとテクニカルな話ですみません。上の文章を読んでもあまり理解できないかもしれません。

言いたいことは、圧縮記帳をすることで補助金に対する課税を繰り延べることができるということです。圧縮記帳とは税金を繰り延べるための特別制度です。

圧縮記帳をすることで企業の税金支払い額が減るわけではありません。ただ将来に繰り延べられるだけです。30億円の補助金を政府から受け取ったら、最終的にはきちんと9億円(税率30%)の法人税を国庫に納付せねばなりません。9億円の法人税は免除されるわけではありません。そこまで政府は企業に優しくないです。あくまでも税金の支払いを将来に繰り延べることを認めているだけです。

企業にとってはどうでしょうか?
別に法人税支払い額が減るわけではなく、ただ支払いを後倒しにしてもらっただけで嬉しいのでしょうか?

はい、素直に嬉しいです!!
多額の法人税支払いを将来に後倒しできるのはとても助かります。

資金繰り的にも助かるし、支払い額が同額なら将来に払った方がファイナンス的に考えても有利です。キャッシュアウトフローの現在価値が小さくなります。金額が一緒ならキャッシュインはなるべく早く、キャッシュアウトはなるべく遅くというのが鉄則です。

 

投資信託=圧縮記帳の進化版

投資信託では分配金に対する課税が将来に繰り延べられます。投資信託を解約する時まで、分配金に対する課税は発生しません。つまり、半永久保有を前提にするのなら投資信託の分配金に対する課税は30年でも50年でも繰り延べることができるのです。

これは圧縮記帳の進化版みたいなもんです。圧縮記帳では、そんな30年もの長期間税金支払いを繰り延べることはできません。徐々に税金支払いは発生します。補助金受領時に即課税はされないけど、翌年から徐々に課税されていきます。

投資信託では30年後まで、いやずっと売らなければ50年後まででも課税を保留できます。

5年間で考えると、こんな納税イメージです。

1年目 2年目 3年目 4年目 5年目
一括課税 100 0 0 0 0
圧縮記帳 20 20 20 20 20
投資信託 0 0 0 0 100

上段が一括課税の場合ですが、1年目に即キャッシュアウトが発生して損です。中段が圧縮記帳の例ですが、1年目に負担を寄せるのはなく各年度で均等に負担します。一括課税よりかなりマシです。で、下段が投資信託です。投資信託の分配金に対する税金は最終年度まで(解約するまで)ずっとゼロです。これは圧縮記帳よりもさらにお得な課税の繰延べです。

圧縮記帳は企業に大きな恩恵をもたらしてくれる税制です。うちの会社も地方自治体から貰っている補助金が数億円ありまして、それについて圧縮記帳をしています。圧縮記帳は処理がちょっと面倒ではありますが、それでも会社の資金繰りにプラス効果があるので該当があれば絶対に適用します。

そんな圧縮記帳による課税の繰延べをさらに上回るのが、投資信託の分配金課税の繰延べです。なんたって、本人に売却意思がなければ半永久的に税金は払わなくていいのですから。これはもう想像以上に大きな経済的メリットですよ。

投資信託は課税繰延べというメリットがあるものの、かつては信託報酬がやや割高でした。しかし昨今、投資信託の経費は劇的に下がっています。信託報酬0.1%台の投資信託まであります。

米国ETF、国内ETF、投資信託の3つが一般的な長期投資のツールとして存在しますが、最近は投資信託の優位性が高まってきています。私は、投資を全く知らない人に「株始めようと思うんだけど、教えてくれない?」って相談されたら、最近は投資信託を推奨するようにしています。以前は国内ETFをオススメしていました。

0.1%~0.2%台の低コストを享受しながら分配金課税の繰延べまであるって、、投資信託はホントに素晴らしい商品だと思います。

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