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【ADBE銘柄分析】アドビ・システムズはクラウド課金サービスで急成長を遂げる画像処理ソフトウェア会社

   

S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。

データソースはMorningstarです。

今回はアドビ・システムズ(ADBE)をご紹介します。

基本情報

会社名 アドビ・システムズ
ティッカー ADBE
創業 1982年
上場 1986年
決算 11月
本社所在地 カリフォルニア州
従業員数 21,000
セクター 情報技術
S&P格付  A
監査法人  KMPG

ダウ30 ×
S&P100 ×
S&P500
ナスダック100 ×
ラッセル1000

地域別売上構成比

セグメント別売上構成比

業績

キャッシュフロー

バランスシート

資産

負債純資産

株主還元

無配。
自社株買い実績はあり。

連続増配年数

無配

過去10年の配当成長

無配

過去の株主リターン(年率、配当込み)

過去10年(2009~2018):+27.3%
過去20年(1999~2018):+20.2%
過去30年(1989~2018):+18.6%

バリュエーション指標(2019/2/6時点)

予想PER:26.5倍 最新情報はこちら

配当利回り:無配 最新情報はこちら

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アドビ・システムズはカリフォルニア州サンノゼに本社を置くソフトウェア会社で、画像・映像の加工や編集を行うソフトの開発を手掛けます。ゼロックスに勤務していた二人の技術者が独立し、1982年に創業した会社です。

アドビと言えば、サブスクリプションモデル(課金ビジネス)のクラウドサービスへの移行に成功したIT企業としてここ数年話題を集めています。10年前の2009年には製品販売収入が95%以上を占めており、サブスクリプションの割合は無視できるほどでした。しかし、2013年頃から定額課金サービスへの移行が進み、このFY18(2018年11月期)ではサブスクリプション収入の割合は88%にも達しています。

財務数値を見れば一目瞭然ですが、サブスクリプションモデルへの転換が進んでから、売上高が伸びるだけでなく収益性も著しく改善しています。

事業セグメントは以下の3つに分かれます。
デジタル・メディア
デジタル・エクスペリエンス
出版

デジタル・メディアはアドビの中核ビジネスでクリエイティブ・クラウド(Creative Cloud)というサービスを展開しています。具体的なアプリケーションとしては”Adobe Photoshop”、”Adobe illustrator”、”lightroom CC”、”Premiere Prp”、”Adobe Stock”などがあります。

これらアプリを使うことで、画像は写真などを自在に加工編集できます。ちなみに、アドビのサイトを見ると月額料金は980円~4980円となっています。アプリのクオリティの高さを考えれば、決して高い値段ではないのでしょう。だから、顧客に受け入れられて売上はグングン伸びています。

2つ目のセグメントの「デジタル・エクスペリエンス」は、企業のマーケティングをサポートするソフトウェアを提供する事業です。全日空はアドビの”Adobe Experience Cloud”を導入している日本企業の一つです。

2018年10月にマーケティング・クラウドプラットフォーム企業のMarketoを42億ドルで買収しました。このMarketoの事業が「デジタル・エクスペリエンス」に含まれると思われます。

財務データを見てみましょう。

売上高はこの10年で3倍になりました。特にFY15~FY18にかけての伸びが凄いです。課金モデルへの移行が実を結んだ結果です。グラフには記載していませんが、営業利益率は30%近くあります。純利益率も20%台と高収益です。

FY18の売上高は90億ドルで前年比+24%。デジタル・メディア事業が成長を牽引しました。”Creative Cloud”の契約者数が増加しました。サブスクリプション収入はFY17が61億ドルだったのに対して、FY18は79億ドルで30%近い成長を記録しました。

FY18の純利益は前年比+53%の26億ドルで、トップライン以上の成長を達成。ただし、税制改革に伴う一時要因が影響している点は注意が必要です。米国外所得に対する税金費用を計上していますが、それ以上に税率低下に伴う繰延税金負債の取り崩しの影響が大きく、結果として税金費用を押し下げ純利益を押し上げています。税制改革の一時要因を除外しても、きちんと増益を達成できています。

キャッシュフローは潤沢です。ここ3年ほどで営業CFマージンが大きく上昇していることがわかります。サブスクリプションモデルがいかに儲けが大きく効率的なのか、よくわかりますね。設備投資が少なくフリーCFも莫大です。

バランスシートを見てみましょう。総資産の74%が固定資産です。このほぼ全部が買収に伴うのれんと無形資産です。特にのれんが多いです。米国会計では、のれんは非償却です。減損リスクがありますが、現在の好調な業績が続く限りその心配はなさそうです。FY17→FY18にかけて固定資産の割合が増加していますが、Marketo買収によってのれんなど無形資産が増加したためです。

買収のため有利子負債が増加していますが、自己資本比率は50%あります。本業で莫大なキャッシュを稼いでいますし、財務は健全です。

成長企業ということでまだ配当はなし。ただ、自社株を買い戻すことで実質的には株主還元を行っています。FY18には21億ドルの自社株買いを実施しています。FY18の表面的な総還元性向は80%ですが、税制関連で純利益が押し上げられていることを考慮すると、実質的には100%利益を株主に還元していると言えます。これだけキャッシュを荒稼ぎしている会社ですから、株主に資金を返す他ないのでしょう。良いことです。

継続的な自社株買いと売上成長によって、今後さらなるEPS拡大が期待できます。そして、いつかたっぷり配当を出してくれる日が来るでしょう。

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