Grow Rich Slowly シーゲル流米国株投資で億万長者になる!

米国株投資を通じて資本主義社会を豊かに楽しく生きる

*

【ABT銘柄分析】アボット・ラボラトリーズは心臓血管領域に強みを持つ大手医療機器メーカー

   

※2017年12月期決算データ反映、BSデータ追加、コメント刷新(2018/3/30)

S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。

データソースはMorningstarです。

今回はアボット・ラボラトリーズ(ABT)をご紹介します。


    アボット財務情報

基本情報

会社名 アボット・ラボラトリーズ
ティッカー ABT
創業 1888年
上場 1937年
決算 12月
本社所在地 イリノイ州
従業員数 74,000
セクター ヘルスケア
S&P格付 A+
監査法人 EY
ダウ30 ×
S&P100
S&P500
ナスダック100 ×
ラッセル1000

 

地域別売上高

abt%e5%9c%b0%e5%9f%9f%e5%88%a5%e5%a3%b2%e4%b8%8a%e9%ab%98

 

セグメント別売上構成比

 

業績

 

キャッシュフロー

 

バランスシート

資産

負債純資産

 

株主還元

この記事を読むともっとこのグラフを理解できます!

 

連続増配年数

45年

 

バリュエーション指標等(2018/3/30時点)

PER:223.9倍 最新情報はこちら

配当利回り:1.9% 最新情報はこちら

配当性向:39% 最新情報はこちら

 

感想

アボット・ラボラトリーズ(ABT)は1900年にイリノイ州で創業した世界的な医療機器・製薬メーカーです。医療機器メーカーとしてはメドトロニックに次ぐ売上規模を誇り世界150カ国以上で事業を展開しています。幅広い疾患領域をカバーしていますが、特に心疾患に力を入れています。

事業ポートフォリオは以下の4つです。
・心臓血管
・栄養製品
・診断機器
・エスタブリッシュ医薬品

2013年に新薬開発・バイオ医薬品事業をアッヴィ(ABBV)として分社化しました。医療機器事業に注力するためです。アボットが現在も持っている医薬品はエスタブリッシュ医薬品(特許が切れて後発品が存在する)のみです。

2016年に眼科手術器具事業をジョンソン&ジョンソンに43億ドルで売却しました。2009年に買収した事業でしたが心臓血管領域に注力するという会社方針のため売却に至りました。このようなスピーディーな事業ポートフォリオの見直しは米国企業らしいです。

2017年1月にセント・ジュード・メディカルを236億ドルで買収しました。セント・ジュードは心房細動、心不全などの心臓分野に強みを持つ企業です。当買収によってアボットは心臓血管領域のほぼすべての市場でトップブランド製品を持つことになりました。心疾患を強化するという長期的戦略に沿った買収です。

さらに2017年4月には診断薬・機器のアリーアを53億ドルで買収することで合意しました。アリーアはマラリアやデング熱などの感染症の診断薬を持つ企業です。

このようにアボットは他のヘルスケア企業と同じくM&Aによって成長してきました。特にセントジュードの買収は超大型ディールでしたね。

財務データを見てみましょう。

売上高がFY13に半減しているのは製薬部門を分社化(アッヴィ)したためです。それ以降はFY16まで200億ドル前後の売上高で安定推移していました。FY17に既述の通りセント・ジュード・メディカル等を買収したため、270億ドルまで売上高は上昇しています。競合のメドトロニックに迫る規模です。

グロスマージンはアッヴィ分社化後でも55%前後あり高収益です。FY17の純利益が急減して実績PERは200倍超という異常値になっていますが、これは税制改革でのレパトリ減税制度によって、過去に米国外で稼いだ留保利益に対する繰延税金負債を29億ドル計上しているためです。一時的なコストで本業の悪化ではないので心配無用。

キャッシュフローも安定しており、セントジュード買収効果が出ているFY17は営業CFマージンが20%台まで改善しています。

バランスシートを見てみましょう。FY17に固定資産が急増していますよね。セントジュード等の買収に伴って「のれん」と「買収に伴う無形資産」が増加しているためです。その買収資金を手当てするため銀行借入を行っており、固定負債が増加しています。2016年から有利子負債がかなり増加していますが、キャッシュリッチな優良企業なため資金繰りに懸念はないと思います。

連続増配45年の配当貴族です。潤沢なキャッシュによって今後も安定した増配が期待できます。自社株買いにも積極的ですが、ここ2年はM&A投資に資金を振り向けており自社株買いは小規模です。

 

ジェレミー・シーゲル氏の『株式投資の未来』によると、アボットは1957年から2003年までのトータルリターンがフィリップモリスに次ぐ第2位で、その利回りは何と年率16.5%でした。これは市場平均を5.5%も上回る水準で驚異的です。50年間に渡って年率16%ものリターンを株主にもたらした実績は輝かしいものです。アボットはヘルスケアセクターの中でも将来有望な銘柄の一つです。ちなみに私は医療機器メーカーとしてアボットとメドトロニックで迷いまくった末、後者メドトロニックへの投資を決断しました。

 - 米国株銘柄分析