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【ABT銘柄分析】アボット・ラボラトリーズは心臓血管領域に強みを持つ大手医療機器メーカー

      2019/03/28

※2018年12月期決算データ反映、コメント刷新(2019/3/27)

S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。

データソースはMorningstarです。

今回はアボット・ラボラトリーズ(ABT)をご紹介します。

基本情報

会社名アボット・ラボラトリーズ
ティッカーABT
創業1888年
上場1937年
決算12月
本社所在地イリノイ州
従業員数103,000
セクターヘルスケア
S&P格付A+
監査法人EY
ダウ30×
S&P100
S&P500
ナスダック100×
ラッセル1000

地域別売上構成比

セグメント別売上構成比

業績

キャッシュフロー

バランスシート

資産

負債純資産

株主還元

連続増配年数

46年

過去5年の配当成長

年率+14.9%

この5年で配当は2倍になりました。

※アッヴィ分社化後のFY13~FY18で計算しました。

過去の株主リターン(年率、配当込み)

過去10年(2009~2018):+13.9%
過去20年(1999~2018):+8.7%
過去30年(1989~2018):+14.2%

バリュエーション指標(2019/3/26時点)

予想PER:21.9倍 最新情報はこちら

配当利回り:1.6% 最新情報はこちら

コメント

アボット・ラボラトリーズ(ABT)は1900年にイリノイ州で創業した世界的な医療機器・製薬メーカーです。医療機器メーカーとしてはメドトロニックに次ぐ売上規模を誇り、世界150カ国以上で事業を展開しています。幅広い領域をカバーしていますが、特に心疾患に力を入れています。

事業ポートフォリオは以下の4つです。
・心臓血管及び神経領域
・栄養製品
・診断機器
・エスタブリッシュ医薬品

「心臓血管及び神経領域」は末梢血管疾患へのインターベンション治療デバイス(ステントやガイドワイヤー、バルーンカテーテルなど)、心疾患に対する薬剤溶出ステント、冠動脈ガイドワイヤー、ガイディングカテーテルなどを扱っています。

「栄養製品」は小児用及び成人用の栄養剤を取り扱っています。液体タイプの経腸栄養剤、高エネルギー栄養剤、アミノ酸飲料などがあります。バニラ味、ストロベリー味、バナナ味など患者さんが美味しく飲みやすいよう工夫されています。

「診断機器」は診断システム、検査システムを販売しています。血液分析装置、出生前の染色体異常を特定する診断薬、HIVや肝炎など重要疾患の診断モニタリング装置などがあります。

「エスタブリッシュ医薬品」は特許が切れて後発品が存在する医薬品 を取り扱っています。新薬部門は2013年にアッヴィ(ABBV)として分社化しました。

これまで積極的なM&Aで組織を再編、成長してきました。

2016年に眼科手術器具事業をジョンソン&ジョンソンに43億ドルで売却しました。2009年に買収した事業でしたが心臓血管領域に注力するという会社方針のため売却に至りました。

2017年1月にセント・ジュード・メディカルを236億ドルで買収しました。セント・ジュードは心房細動、心不全などの心臓分野に強みを持つ企業です。当買収によってアボットは心臓血管領域のほぼすべての市場でトップブランド製品を持つことになりました。心疾患を強化するという長期的戦略に沿った買収です。

さらに2017年4月には診断薬・機器のアリーアを53億ドルで買収することで合意しました。アリーアはマラリアやデング熱などの感染症の診断薬を持つ企業です。

財務データを見てみましょう。

売上高がFY13に半減しているのは新薬部門を分社化(アッヴィ)したためです。それ以降はFY16まで200億ドル前後の売上高で安定推移していました。FY17にセント・ジュード・メディカルを買収し、270億ドルまで売上高は上昇しています。グロスマージンはアッヴィ分社化後でも55%前後あり高収益です。

FY18の売上高は305億ドルで前年比+11%。アリーア買収の恩恵が+5%相当あり、オーガニックな成長は+6%程度です。全事業が5%前後しています。特に医薬品事業はインドやロシア等の新興国で伸びています。

FY18の純利益は24億ドル。前年FY17は税制改革関連で29億ドルの一時費用(米国外留保利益に対する税金費用)を認識しており、その反動で大幅増益。

キャッシュフローも安定しており、セントジュード買収効果が出ているFY17以降は営業CFマージンが20%台まで改善しています。

バランスシートを見てみましょう。FY17に固定資産が急増していますよね。セントジュード等の買収に伴って「のれん」と「買収に伴う無形資産」が増加しているためです。その買収資金を手当てするため銀行借入を行っており、固定負債が増加しています。2016年から有利子負債がかなり増加していますが、キャッシュリッチな優良企業なため資金繰りに懸念はないと思います。

連続増配46年の配当貴族です。調整後EPSをベースに算出した配当性向は50%以下で、今後も安定した増配が期待できます。自社株買いはここ3年は少ないです。

ジェレミー・シーゲル氏の『株式投資の未来』によると、アボット・ラボラトリーズの1957年~2003年のトータルリターンは年率16.5%で、フィリップモリスに次ぐ第2位でした。2009年以降のリターンも非常に優秀ですね。

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