投資管理アプリSeekingAlphaで見かけた、とある個人投資家(アメリカ人)のコメントを和訳して紹介させて下さい。

私は1991年にペプシコ株を100株、15.50ドルの株価で購入しました。当時の一株当たり配当は0.24ドルで配当利回りは1.6%。株価が下がったタイミングを見計らって、配当を再投資し、また都度余剰資金で追加投資を繰り返してきました。今はPEPを244株保有しています。

当時のペプシコのPERは24倍でした。短期トレーディングでは買い値は確かに重要です。でも、もしあなたが永久保有のつもりなら、買い値はそれほど重要ではありません。私は経営状態の良い会社の株を永久保有目的で買ってきました。ペプシコ株からの累積配当は、すでに投資額を超えています。

某個人投資家のメッセージより抜粋

こういうコメントを読むと、さすが資本主義大国アメリカだな~と思います。1991年と言えば私はまだ4歳です。その頃にペプシコ株に投資して、今までずっと保有してきたというのです。30年弱ですから、長期投資と言えますね。こんな個人投資家、日本ではなかなかお目にかかれませんよね。

ちなみに、1991年から2018年のペプシコ(PEP)の投資リターン(配当再投資を前提)は年率10.6%です。1991年に100万円投資していたら、2018年末には1,650万円にまで増えている計算です。27年で資産が16.5倍に増えます。満足できる投資成果ではないでしょうか。

きっと、1991年当時のペプシコ株はかなり割高に見えたことでしょう。PERは24倍で益回り4%ちょいだし、1.6%という配当利回りは当時の米国債と比べればかなり寂しいです。1991年当時、米国債(10年)の利回りは7%~8%ありました。

想像してみて下さい。
・確定利回り8%の米国債
・リスクがある配当利回り1.6%のペプシコ株

あなたならどちらを選びますか?

米国債を選びたくなりませんか?
私なら、いくらかは債券を買っちゃいそうです。

そんな高金利な時代にPERが24倍、配当利回りが1.6%しかないペプシコ株に投資しても、長期で債券を大きくアウトパフォームすることができました。年率10%超のリターンを得ることができたわけです。

現在のペプシコのPERは24倍で1991年当時と同じです。

同じですが、外部経済環境はだいぶ異なります。金利はかなり低いです。現在の米国債(10年)の利回りは2.3%台です。

この低金利を考えれば、2019年現在のペプシコ株は1991年よりも遥かにお買い得に見えます。いやPER24倍もあるわけだから、お買い得とは言えないかな。ただ、長期保有を前提とすれば米国債とペプシコ株で迷う余地はありません。私なら、絶対に後者を選びます。

現在の低インフレはニューノーマルかもしれません。もしそうなら、一見割高に見える米株は実は割安もしくは妥当な水準な可能性もあります。

長期投資と言えども買値は常に大切。ですが、安値を狙い過ぎることなく、ほどほどの価格で我慢して優良株を買い続けた方が、結果として報われる可能性が高いんだろうなと思います。

僕もいつかあんなコメントを書けるようになりたいものです。